第19話 さだまさしの檸檬

文字数 867文字

 さだまさしさんの楽曲国民投票というのがあった。

 それによると、

 5位 まほろば、

 14位 檸檬(れもん)、

 21位 飛梅(とびうめ)。


 私は初期のアルバムしか知らないが、

 3位 飛梅、

 2位 まほろば、

 1位 断然、檸檬です。

檸檬/アルバムバージョン

 若い頃、友人がさだまさしを好きで、よくテープに録音してくれた。

 それを何度も流し引っ掛かった『檸檬』

『檸檬』ばかり繰り返し聴いていた。


 盗んだ檸檬?


 歌詞カードはない。

 え? 盗んだ檸檬なの?

『檸檬』は、さだまさしが1978年3月25日にリリースしたアルバム『私花集』の収録曲であり、8月10日にリリースしたシングル盤でもある。
 さだまさしの歌には文学的薫りがあふれているものが多いが、その中でも『檸檬』は特筆される。

 これは梶井基次郎の小説『檸檬』と同名だということで名高い名曲。
 この歌の舞台は東京・御茶ノ水の聖橋(ひじりばし)

 主人公は愛し合っている男と女。女が盗んだ檸檬をかじった後で、それを聖橋から投げる、というもの。

 この歌は今でもさだのコンサートではたくさんの人々の支持を受け、絶対に欠かせないナンバーとなっている。

 当時、聖橋の上で雑誌の撮影をしていたら、向こうからおまわりさんが来て

「あなた、さだまさしさんですよね。ちょっとこっちいらっしゃい」

と手を引っ張って、聖橋の真ん中まで連れていかれたんですよ。

「下を見なさい」

と言われて川を見たら、檸檬が9個浮かんでいた。

「あんたみたいに影響力のある人はこういう歌をつくらないでくれ。物を川に投げるなんて、けしからん」

と怒られてねえ。

「申し訳ありませんでした」

と平謝りですよ。歌詞は『盗んだ檸檬』なんだけど、『盗んだ』までは知らなかったようで助かりました。

https://bunshun.jp/articles/-/68638?page=1


シングル版とアルバムでは1箇所歌詞が違うのです。
檸檬/シングルバージョン
御茶ノ水駅の風景をさだまさしさん本人が描かれたジャケット。さだまさしさんのシングル「檸檬」(1978年)
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