第24話 ラ・ボエーム
文字数 859文字
二十歳の頃、あなたが住んでいた古いアパート お風呂も玄関もない うなぎの寝所
私たちはいつもレコードを聴いていた
愛し合ったあなたと私の二十歳の頃
ある日 あなたと私の愛の町角
訪ねてみたらアパートの影さえなく
歩きなれた道も消えてた
若き日々の靴の音は聞こえなかった
シャルル・アズナブール[1924~2018]
フランスの歌手・俳優。ピアフに認められて脚光を浴びると、1950年代からはシャンソン界屈指の人気歌手として活躍。ビブラートをきかせた歌唱法で人気を博した。
長い間一般的な知名度は低かったが、77年発表のアルバム『銀巴里ライブ・いつ帰ってくるの』をきっかけに、存在がクローズ・アップされる。
谷村新司、山口百恵らがファンとなり、その評判も手伝って一般へ浸透。87年“NHK紅白”に出場。代表曲は「再会」「時は過ぎてゆく」など。
ラ・ボエーム ちあきなおみ
あのアパート、区画整理で立ち退きになったみたい。もう少しいれば、立ち退き料もらえたかな?
あなたは、ここにいる。私の隣に。
音楽の趣味はぜんぜん違うけど。
投稿していることも知らないけれど
ボエームとはボヘミアンのフランス語で、自由に生きることに憧れた19世紀パリの芸術家の卵たち(もしくは芸術家気取りの若者たち)のことを指す。
パリのモンマルトルやモンパルナス近辺に住む、定職を持たない若い芸術家や作家たちがそう呼ばれていた。
19世紀にフランス人作家のアンリ・ミュルジェ(Henri Murger)が「ボヘミアン生活の情景」(Scènes de la vie de bohème)という小説を書き、それは、プッチーニのオペラにもなり、それがアズナヴールの歌にも繋がっている。
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