6-2.集中砲火

文字数 681文字

沖津の運転するトラックがすごい勢いでそのまま工場に突っ込んでくる。



トラックは、轟音をたてて、札幌の神野重工軍機生産工場の外門を破った。

外門が飛散した。外門を破壊した衝撃でトラックはバランスを崩し、横転して野外広場に止まった。



それを待っていたかのように四方八方から鬼頭の直属配下の戦闘員達が一斉に立ち上がり、マシンガンやショットガンをトラックに向けて放った。

ガガガガガと凄まじい銃声が鳴った。

四方八方から銃撃を受け横転したトラックのドアやボディにどんどん穴が開いていき、サイドミラーが吹き飛んだ。



「沖津さん!」



制御ルームで巨大モニター越しにその光景を観ていた、手首を縛られたままの全裸の美羽が叫ぶ

。

「あははは!このままじゃあ、あんたの足長おじさん、もう持たないよ」



神野清美と脇川は笑った。

相変わらず鬼頭は無表情にモニターを観察していた。



神野清美はニヤニヤ笑いながら美羽の顎を掴み、


「あの男が死んだら、あんたも仲良くあの世行きだよ。せいぜいあの世で仲良くね、美代子姉さんにもよろしくね」



と嘲るように言った。

美羽は神野清美を睨みつけ、唾を飛ばす。

顔面に飛ばし付けられた唾を拭うと、神野清美は右手の甲で美羽の右頬を叩きつけた。



「あうっ!」



苦悶しつつも美羽はモニターを見つめ続ける。



(沖津さん・・・)







野外広場では相変わらず銃撃は続き、銃撃音は鳴り止まなかった。トラックのタイヤが爆発し、フロントガラスが割れた。



(もうやめてええ!)



沖津の乗るトラックが銃撃され続ける光景を直視出来なくなり、美羽は目を瞑った。
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