4-1.海
文字数 772文字
2023年3月25日(土) -4日目-
湘南の朝の海を沖津と美羽は眺めていた。
「もう死んじゃったけど、私の実の母 篠谷美代子は、正妻じゃなくて、愛人の娘だったんだ」
美羽がおもむろに口を開いた。
「母方の本家の神野家は、ものすごい資産家だったんだ。でも、愛人の娘でしかなかった母は、資産も全く相続されることなく、神野家を追い出されたみたいで、父も私が物心着く前にガンで亡くなってて、私達は酷い生活だった」
「・・・そうか・・・」
「でも、神野家の正統な血統の清美叔母さんは、母が事故死した後、当時12歳の私を拾ってくれて、本当の親みたいに接してくれた。だから、とても清美おばさんには感謝してるんだ」
海を見ていた美羽は、うなだれてポツリと話した。
「・・・ごめんなさい、勝手に叔母さんに電話して・・・」
「・・・もういい」
美羽は沖津の方を向いた。
「沖津さん、貴方は何者なの?なんでこんなすごい事が出来るの?」
「・・・僕は、元々は、軍事産業も手がける巨大企業が作り出した、特殊機動部隊の戦闘員だった」
「特殊機動部隊の戦闘員?」
「企業が開発した軍用機器を実際に取り扱うために、小さい頃から戦術の全てを頭に叩き込まれた、いわばプロの戦闘集団だよ。両親に捨てられた僕は特殊機動部隊の戦闘員として生き延びるしか方法は無かった」
「・・・そう、あいつらは?あいつらも同じなの?」
「僕は、随分昔に、特殊機動部隊を除隊したのだけど、ある人物から依頼されて、急遽、君を守る任務に就くことになった。だから君をターゲットにしている特殊機動部隊とは、今は敵対関係にある」
「・・・そうなんだ。なんか、難しくてよく分からないけど、両親がいない悲しみや辛さは、私にも少しは分かる気がするよ」
それからしばらく2人は湘南の海を見続けていた。
湘南の朝の海を沖津と美羽は眺めていた。
「もう死んじゃったけど、私の実の母 篠谷美代子は、正妻じゃなくて、愛人の娘だったんだ」
美羽がおもむろに口を開いた。
「母方の本家の神野家は、ものすごい資産家だったんだ。でも、愛人の娘でしかなかった母は、資産も全く相続されることなく、神野家を追い出されたみたいで、父も私が物心着く前にガンで亡くなってて、私達は酷い生活だった」
「・・・そうか・・・」
「でも、神野家の正統な血統の清美叔母さんは、母が事故死した後、当時12歳の私を拾ってくれて、本当の親みたいに接してくれた。だから、とても清美おばさんには感謝してるんだ」
海を見ていた美羽は、うなだれてポツリと話した。
「・・・ごめんなさい、勝手に叔母さんに電話して・・・」
「・・・もういい」
美羽は沖津の方を向いた。
「沖津さん、貴方は何者なの?なんでこんなすごい事が出来るの?」
「・・・僕は、元々は、軍事産業も手がける巨大企業が作り出した、特殊機動部隊の戦闘員だった」
「特殊機動部隊の戦闘員?」
「企業が開発した軍用機器を実際に取り扱うために、小さい頃から戦術の全てを頭に叩き込まれた、いわばプロの戦闘集団だよ。両親に捨てられた僕は特殊機動部隊の戦闘員として生き延びるしか方法は無かった」
「・・・そう、あいつらは?あいつらも同じなの?」
「僕は、随分昔に、特殊機動部隊を除隊したのだけど、ある人物から依頼されて、急遽、君を守る任務に就くことになった。だから君をターゲットにしている特殊機動部隊とは、今は敵対関係にある」
「・・・そうなんだ。なんか、難しくてよく分からないけど、両親がいない悲しみや辛さは、私にも少しは分かる気がするよ」
それからしばらく2人は湘南の海を見続けていた。