6-4.反撃

文字数 1,071文字

トラックから飛び出た沖津は、両腕に全長1m程の丸い鉄製の筒を抱え、炎と、爆発と、戦闘員達の放つマシンガンの嵐の雨の中、ものすごいスピードで工場建物の正面口にかけ走ってくる。



沖津は、正面口の10メートルほど手前で、その筒である対装甲車用のロケットランチャーを構え、工場正面口の分厚い鉄扉に向けてミサイルを発射させた。

ミサイルはそのまま工場正面口に着弾し、爆発すると、分厚い鉄扉が轟音たてて派手に吹っ飛び、近くの戦闘員達が巻き添えを受けて倒れた。



沖津は、ぽっかり空いた工場正面口から進入する。

戦闘員達は混乱しつつも、沖津の侵入を阻止すべく、慌てて入り口に集結し始めた。

沖津は両手に拳銃を構えると、神速の2丁拳銃で集結しつつあった戦闘員の額を次々に正確に打ち抜いていった。

バタバタと戦闘員達が倒れていく中、ようやく体制を立て直した戦闘員が沖津に向けて拳銃を構える。沖津がその戦闘員が構えた銃を弾丸で弾くと、戦闘員の手から拳銃が宙に舞い上がった。

沖津はそれをジャンプしてキャッチ。

着地すると再び奪った銃で戦闘員達の額を正確に撃ち抜いていった。

突如の想定外の事態に

慌てふためいた戦闘員は、神野清美がいる制御ルームへと続く扉を、扉の隣のセキュリティシステム装置で閉めようとした。

沖津は懐から手榴弾を投げる。扉の目の前に落下。セキュリティシステム装置を操作していた戦闘員は、手榴弾に気付いてその場から逃げ出すが、爆発範囲から逃げ切る前に手榴弾が爆発して戦闘員は吹っ飛んだ。

✳︎



次々と爆発音や、工場の天井や壁が崩れ落ちる轟音が工場内に鳴り響く。
天井スプリンクラーから放水が噴射した。
ウーウーという低い警報音とともに、緊急アナウンスは相変わらず鳴り続けていた。



「しゃ・・・社長!あ・・・あいつ、とんでもないです!止められません!こ・・・このままでは!」



スプリンクラーの放水でびっしょりと頭と衣服を濡らした秘書の脇川が顔面蒼白で制御ルームに報告に来た。

神野清美は鬼の形相で鬼頭を睨みつけた。



「鬼頭!なんとかしなさい!」



鬼頭はギリギリと下唇を噛み、ライフルを掴むと制御ルームを飛び出した。



✳︎

沖津は走る。美羽が捉えられている制御ルームへ。

扉を手榴弾で破壊し、拳銃で次々に戦闘員達を倒すと、大広間に踊りでた。



チュイン!



ライフル弾が頬を掠めた。

二発目、倒れた戦闘員を盾にしてライフル弾を防ぐ。

ライフル弾の発射方向には、大広間の2階テラスから、怒りの表情で沖津を睨みつける大男がいた。

特殊機動部隊の隊長 鬼頭だ。
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