6-3.ネズミ
文字数 1,151文字
その時、
ギギギ・・・
と、集中放火を受けるトラックの後部の荷台のドアが開いた。 中から何かが出てきた。
相変わらず銃撃は続いていたが、その中から出てきた大量の灰色の物質は、ワラワラと工場建物に進入してきた。
「・・・なんだ?」
神野清美と脇川は目を丸くしてモニターを凝視した。
その灰色の物質は、大量に、雪崩れ込むように、途切れることなく進入し続けた。
「・・・ネズミ?」
灰色の物質の正体をようやく目視確認できた神野清美が呟いた。
ネズミ達は、戦闘員の戦闘服の中、野外広場のマンホールの下水道、工場配管、工場煙突など、てんでまばらに入り込んでくる。太陽の光から逃げているようだ。
そのネズミ達の全てに、何かの銀色の機械装置らしきものが括り付けてある。
突然の異物の侵入により、戦闘員達に混乱が走り、銃撃がまばらに止み始めた。
戦闘員達のうちの1人が、戦闘服の中に潜り込み身体に張り付いてネズミを剥ぎ取ると、 ネズミからピッピッピ、と電子音がするのに気づいた。
ネズミに括り付けられた銀色の機械装置から電子音が出ているようだ。
機械装置の赤い文字の数字が
・・・10・・・9・・・8・・・7・・・
と、どんどん下がっていく、
・・・6・・・5・・・4・・・
神野清美と脇川は、状況が理解できず、まじまじとモニターを見つめる。
・・・3・・・2・・・
その1人の戦闘員が、身体から引き剥がしたネズミを、慌てて宙に放り投げた。
・・・1・・・
モニターを観ていた無表情な鬼頭が目をカッと開く。
・・・0
宙に放り投げられたネズミは、突如大爆発してその周りにいた戦闘員達は吹っ飛んだ。
ドオンドオンと大きな爆発音がそこら中で聞こえ、戦闘員達が次々と爆発に巻き込まれ吹っ飛び倒れていった。
工場の下水道、工場配管、工場煙突、てんでまばらに奥深く侵入したネズミ達も、次々と連鎖的に大爆発し、爆音とともに、野外広場や工場建物のそこら中から炎や煙が噴き出した。
突如の非常事態に戦闘員達は大混乱に陥り、トラックへの銃撃どころではなくなっていった。
爆発により生じた炎は、工場建物の武器製造に用いる火薬類や爆発物に引火し、さらに二次的に大爆発が起こった。
轟音と共に工場建物が徐々に崩れ始める。
【緊急警報!緊急警報!】
緊急アナウンスと共にウーウーと低い警報音が鳴り制御ルームに振動が走る。
「どうなってるの!鬼頭!!」
神野清美は鬼頭を睨みつけた。
鬼頭は苦虫を噛み潰したような表情でモニター凝視している。
「じょ・・・状況を確認して参ります!」
脇川は血相を変えて、状況確認のため制御ルームを飛び出した。
その時横転して銃撃を受け無残な状態となったトラックの運転席から何かが飛び出た。
ギギギ・・・
と、集中放火を受けるトラックの後部の荷台のドアが開いた。 中から何かが出てきた。
相変わらず銃撃は続いていたが、その中から出てきた大量の灰色の物質は、ワラワラと工場建物に進入してきた。
「・・・なんだ?」
神野清美と脇川は目を丸くしてモニターを凝視した。
その灰色の物質は、大量に、雪崩れ込むように、途切れることなく進入し続けた。
「・・・ネズミ?」
灰色の物質の正体をようやく目視確認できた神野清美が呟いた。
ネズミ達は、戦闘員の戦闘服の中、野外広場のマンホールの下水道、工場配管、工場煙突など、てんでまばらに入り込んでくる。太陽の光から逃げているようだ。
そのネズミ達の全てに、何かの銀色の機械装置らしきものが括り付けてある。
突然の異物の侵入により、戦闘員達に混乱が走り、銃撃がまばらに止み始めた。
戦闘員達のうちの1人が、戦闘服の中に潜り込み身体に張り付いてネズミを剥ぎ取ると、 ネズミからピッピッピ、と電子音がするのに気づいた。
ネズミに括り付けられた銀色の機械装置から電子音が出ているようだ。
機械装置の赤い文字の数字が
・・・10・・・9・・・8・・・7・・・
と、どんどん下がっていく、
・・・6・・・5・・・4・・・
神野清美と脇川は、状況が理解できず、まじまじとモニターを見つめる。
・・・3・・・2・・・
その1人の戦闘員が、身体から引き剥がしたネズミを、慌てて宙に放り投げた。
・・・1・・・
モニターを観ていた無表情な鬼頭が目をカッと開く。
・・・0
宙に放り投げられたネズミは、突如大爆発してその周りにいた戦闘員達は吹っ飛んだ。
ドオンドオンと大きな爆発音がそこら中で聞こえ、戦闘員達が次々と爆発に巻き込まれ吹っ飛び倒れていった。
工場の下水道、工場配管、工場煙突、てんでまばらに奥深く侵入したネズミ達も、次々と連鎖的に大爆発し、爆音とともに、野外広場や工場建物のそこら中から炎や煙が噴き出した。
突如の非常事態に戦闘員達は大混乱に陥り、トラックへの銃撃どころではなくなっていった。
爆発により生じた炎は、工場建物の武器製造に用いる火薬類や爆発物に引火し、さらに二次的に大爆発が起こった。
轟音と共に工場建物が徐々に崩れ始める。
【緊急警報!緊急警報!】
緊急アナウンスと共にウーウーと低い警報音が鳴り制御ルームに振動が走る。
「どうなってるの!鬼頭!!」
神野清美は鬼頭を睨みつけた。
鬼頭は苦虫を噛み潰したような表情でモニター凝視している。
「じょ・・・状況を確認して参ります!」
脇川は血相を変えて、状況確認のため制御ルームを飛び出した。
その時横転して銃撃を受け無残な状態となったトラックの運転席から何かが飛び出た。