第34話
文字数 339文字
刺されたのは――
湊は血を流して倒れた。
警察に取り押さえられた「消化器めろん」は、笑いながら言った。
亜希の手が、湊の血にふれて真っ赤に染まる。
亜希の叫び声が響き渡った。
湊は最後の力を振り絞り、告げた。
その瞬間、湊の瞳から光が消えてなくなった。
湊はぴくりともしない。
亜希は顔をぐしゃぐしゃにしながら、ただ泣いた。