第15話(side.湊)
文字数 946文字
俺は亜希の言葉を思い出し、
唇を噛み締めた。
亜希のあの、弾けるような笑顔は、俺と二人きりだと絶対に見せないのだ。
もっとも、それは恥ずかしいだけなのだが、俺はそれを知らない……
亜希に自分の想いを伝える事すらできないなら、付き合うなんて田村弘よりも無理だ。仲の良さならだれよりも上だけど、恋愛に関しては最下位。俺もそれは自覚していた。
俺はため息をついた。
湊は「あの日」のことを思い出して、顔をぐっと上げた。
俺は決意を固めた。
その時だった。
萌から電話がかかってきた。
ツーッ、ツーッ……
俺は、駆け出した。
次話予告
亜紀を見つけに向かった湊と田村!
どちらが先に亜紀のもとへたどり着くのか……!?