第40話(本編最終話)

文字数 760文字

みっ、湊っ、お待たせっ
そう言われ、病院の前で待っていた湊は「ん」と答えた。

そしてすぐ、目を見開く。

亜希は、ひまわり色のワンピースに軽くメイクをほどこして、デートに登場したのだ。
何よ、湊!そんなに私のことじろじろ見て!なんかついてた?
亜希は軽くワンピースをはたいて、じろりと湊を睨む。
せっかく隣町のデパートまで行ってきたのに…。湊が入院してる一カ月、ずっといい洋服選んでたんだよ!……あっ、もちろん今日のためとか、湊のためじゃないから!服がないし、だから、今着てるだけだし!
(そんな言い訳しなくていいし。絶対、新品だろ?今日のために買ったとしか思えないんだが)
何。やっぱり、似合わない?
いや。別に、普通じゃん?
いいから…早く、遊園地行こうぜ!






わーい!遊園地だ!
なぁ…何から乗る?
あ。じゃあ、前回行けなかったけど行きたいところ、行ってもいい?
いいけど…どこだよ?
お化け屋敷!
――お化け屋敷にて
ここで、私は待ってたんだよね
装飾である井戸のふちに腰かけて、亜希が笑う。湊は「…ああ」と頷いた。
私ね。…湊と会えて、本当によかったって思ってる
…………
だから…あの時、湊が刺されて、もう二度と目覚めないんじゃないかって思ったら…すごくすごく、怖かった。

もし、湊もお父さんみたいに、手の届かないところに行っちゃったら、私、もう、ほんとに……

恥ずかしくても、亜希は伝えたかった。自分の本音。隠してた、気持ち。
でも。今まで私、恋愛したこともなくて分かんなかったけど、これで気づいた。

私は湊のことが、「好き」以上に、好き。「愛してる」って言葉も超えるくらい、大好き

…そんなの、俺のせりふだ
湊は亜希の手をとった。
行こう、亜希。光のある場所へ。俺たちの、未来へ
亜希は顔を赤らめて、うつむいた。


だがすぐに顔を上げて、にっこり笑う。

もちろん!
おしまい
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

桜庭 亜紀(さくらば あき)です。私立ボルネーチ学園に通う高校二年生です。周りからはよくツンデレと言われますが、自分ではどこが?って感じです。幼なじみの湊には、よく分からない感情を抱いてます。初恋はまだです。そのほかは、読み進めて私のことを知ってくださいっ‼(喋るのが嫌いなだけ)

佐々木 湊(ささき みなと)です。私立ボルネーチ学園に通う高校二年生です。亜紀は絶対にツンデレですが、自分は多分違います。そもそも、ツンデレの意味が分かりません。それはおいておいて、幼なじみの亜紀は、何やらかすか分からないので目が離せません。読者の皆さんも、亜紀を温かい目で見守ってあげてください。

上条 萌(かみじょう もえ)でーす。亜紀ちゃんや湊くんと同じ学校に通ってる、高二の萌袖大好き女子でぇす。亜紀ちゃんも湊くんも、ツンデレ同士お似合いよねー。早く付き合っちゃえばいいのに、ツンデレも大変ねぇ。ちなみに私には彼氏いまーす。けど、彼氏よりは亜紀ちゃんの方が大切だな。そうそう、湊くんと亜紀ちゃん、友達が少ないんだけど、私はそんな数少ない友達の一人だから大事にしてね☆早く二人の恋が実ることを祈ってまーす。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色