第28話

文字数 456文字

今、僕の前には、僕が想いを寄せている少女が立っている。


雨にまみれて、ひどく寒そうだ。

どうして……あんたが、ここに
遅刻してさぁ。でも、何で亜希ちゃん家に帰るの?忘れ物?
ちが、う
ただならぬ雰囲気を察した僕は、とりあえず亜希ちゃんに傘を差しだした。亜希ちゃんが受け取って小さく


ありがとう…
と呟く。
今急いだらぎりぎり学校には間に合うかもしれない。


だけど、僕の心が、確かにそれを拒否した。


このままじゃ、亜希ちゃん、風邪をひいてしまう。

僕は一秒だけ考えて、すぐに告げた。
とりあえず、うちにおいでよ。もうお母さんもお父さんも出たからさ。あ、陽菜はいるけどね
行ってもいいの?
亜希ちゃんが小さく呟いて、僕は聞こえなかったから、
何て言った?ごめん、聞こえなかった
と聞き返した。
亜希ちゃんがもう一度言ってくれる。
行っても…いいの?
なあんだ、そんなことか。
当たり前じゃないか。むしろ、何かあったんだろう?僕は、それが気になるんだよ。
もちろん!だから、ついてきて
そう言いながら、僕は思った。
もしかして、亜希ちゃんも陽菜と一緒なのか?って。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

桜庭 亜紀(さくらば あき)です。私立ボルネーチ学園に通う高校二年生です。周りからはよくツンデレと言われますが、自分ではどこが?って感じです。幼なじみの湊には、よく分からない感情を抱いてます。初恋はまだです。そのほかは、読み進めて私のことを知ってくださいっ‼(喋るのが嫌いなだけ)

佐々木 湊(ささき みなと)です。私立ボルネーチ学園に通う高校二年生です。亜紀は絶対にツンデレですが、自分は多分違います。そもそも、ツンデレの意味が分かりません。それはおいておいて、幼なじみの亜紀は、何やらかすか分からないので目が離せません。読者の皆さんも、亜紀を温かい目で見守ってあげてください。

上条 萌(かみじょう もえ)でーす。亜紀ちゃんや湊くんと同じ学校に通ってる、高二の萌袖大好き女子でぇす。亜紀ちゃんも湊くんも、ツンデレ同士お似合いよねー。早く付き合っちゃえばいいのに、ツンデレも大変ねぇ。ちなみに私には彼氏いまーす。けど、彼氏よりは亜紀ちゃんの方が大切だな。そうそう、湊くんと亜紀ちゃん、友達が少ないんだけど、私はそんな数少ない友達の一人だから大事にしてね☆早く二人の恋が実ることを祈ってまーす。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色