領主としての課題
文字数 2,109文字
蒼太はリオネルだと気付くと
リオネルが小首を傾げる。
だが、と蒼太は額を抑える。
その様子にリオネルは戦慄。
リオネルは胸を叩くと
バチバチと青い光が放たれた後、机の角から焦げたような臭いが漂う。
その威力に、蒼太は恐怖を感じて後ずさりをする。
するとリオネルは何かを思いついたように
雷で動くなんて興味深い、と鼻息を荒くしていた。
ゲームに熱中している沙織を思い出し
蒼太はジーンが言っていた「アリーナでの戦闘」を思い出す。
エリオン王国とレヴィアタン帝国の関係は非常に良好だった。
しかし、両国の間にある山岳地帯の中腹で見つかった古代遺跡。
そこで悲劇は起きた。
遺跡調査のため、両国からは合同の調査団が派遣されることになった。調査団が最深部まで調査を行ったところ、地下で封印された箱が発見される。
視察に来ていたエリオン王が箱に触れ、中に封印されていた黒竜の紋晶を解放。魔物の王と恐れられた黒竜の邪悪な思念に取りつかれ、エリオン王は盟友であるレヴィアタン皇帝に剣を向ける。
その最中に、もみ合いになりレヴィアタン皇帝はエリオン王を殺してしまった。レヴィアタン皇帝は弁明をすることなく宣戦布告。そして、エリオンへと進行した。
リオネルが深い溜息をつく。
その隣で蒼太は肩を竦めると
リオネルは遠い目をしながら
他人事のような蒼太を見て
無言のリオネル。
蒼太は視線を逸らしながら