空手バックパッカーズ VS ムエタイ・ドライバーズ2
文字数 1,533文字
”第二の男”はじわじわとケリの間合いに入ろうとしています。
私は顔面のガードを中心に固め、ややわき腹の開いた構えでミドルのケリを誘います・・・前蹴りのけん制なんかするなよ。頼むから・・・・
今の私のぽっこり飛び出たお腹では、あまり威力を狙っていないといわれるムエタイの前蹴りでも、とても耐えられそうに無いです。。
私は前方にいる”第二の男”に神経を集中していますので、周りのヤジウマに潜んでいるかもしれない伏兵が、もし後ろから攻撃してきたら終わりです。
しかし周りにまで気を張り巡らす余裕を前方の男は与えてくれません。
非常に時間がゆっくりに感じられます。そして周りの音がまったく聞こえません。
これはカンボジアでも経験したことのある「脳内スウィッチON」状態ですから悪いことではありません。この状態に入ればいかに速い、ムエタイのケリでも「見える」はずです。
ただ問題はあの当時のように、脳の命令に体が反応できるかどうか・・・ですが。。。とにかく体が重すぎるんだ。
”第二の男”の足を見ています。
男の前足がトンと踏み込むように前進・・・ケリの間合いに入った!!
次に男が後ろ足を踏んだ直後がケリに入るタイミングでしょう。。来る!!
ところが、男はなぜか足のリズムを止めました。
それどころか棒立ちになっている・・・?
あれ?しかもビックリした顔で横をみてるぞ。。ここでようやく私の「脳内スィッチ」がoffになり、音が耳に飛び込んできます。
「ぎゃあああああああああああああっ!!」
断末魔の悲鳴・・・というのは、こういうのを言うのか?という男の悲鳴。。
見ると、タカを膝蹴り一発で沈めた男が、なぜか前かがみになって崩れ落ちて行きます。。悲鳴を上げながら。
なんとヒザを地面についていたタカの右手が男の股間に伸びています。
・・・つまり・・タカは男のキン○マを掴んでるんだ!!
これはたまりません。なにしろ片手二本指での腕立て伏せを日課にしていて、スリランカのニッケルコインをかすかにですが曲げたほどのタカの指の力です。
タカにのしかかるように男は崩れ落ちましたが、タカはそのうしろ襟を左手で
つかみ、そのまま仰向けにひっくりかえします。
・・・白目を剥いてる。殺してないだろうな・・・?
気がつくと私の前方にいる”第二の男”は、その凄惨な光景に目を奪われてポカーンと突っ立っています
・・・チャーンス!!
私は男に向かってダッシュしました。
男は気がついてこっちを向きますが、もう遅い。
私は両手で男の胸を突き飛ばしました。大きくのけぞりながら後ろによろめく男にそのまま抱きつき・・・押しの一手・・・です。
「どおすこおーーーい!!」
私は体重ならムエタイごときに負けないのだ!
”第二の男”と私はひとかたまりになって、2台のトゥクトゥクの間を通り抜け、そのままドーンと壁に激突します。
壁に背中を思い切り打ち付けた”第二の男”はそのままズルズルと壁にもたれるようにして座り込みます。これでしばらくは動けまい。
振り返るとタカは私と背中あわせに立ち、周りのヤジウマたちを目で威嚇しています。伏兵はいるのか?
そのとき、激しいクラクションの音がヤジウマの輪を2分します。
白いワゴン車がその間を通って私たちの前に停まります。チャトゥチャイの車だ。
「トミーさん!無事か?」車から飛び降りるチャトゥチャイ。
「ああ、なんとか。。。チャトゥチャイ、待ってたよお」
・・・やっと、味方のタイ人が着てくれた。。
プラーはどこだ?見るとプラーは先ほどの場所にそのまま立っています。
そしてこちらを睨んでいる・・・私はやっぱり、こいつが一番コワイや。。
私は顔面のガードを中心に固め、ややわき腹の開いた構えでミドルのケリを誘います・・・前蹴りのけん制なんかするなよ。頼むから・・・・
今の私のぽっこり飛び出たお腹では、あまり威力を狙っていないといわれるムエタイの前蹴りでも、とても耐えられそうに無いです。。
私は前方にいる”第二の男”に神経を集中していますので、周りのヤジウマに潜んでいるかもしれない伏兵が、もし後ろから攻撃してきたら終わりです。
しかし周りにまで気を張り巡らす余裕を前方の男は与えてくれません。
非常に時間がゆっくりに感じられます。そして周りの音がまったく聞こえません。
これはカンボジアでも経験したことのある「脳内スウィッチON」状態ですから悪いことではありません。この状態に入ればいかに速い、ムエタイのケリでも「見える」はずです。
ただ問題はあの当時のように、脳の命令に体が反応できるかどうか・・・ですが。。。とにかく体が重すぎるんだ。
”第二の男”の足を見ています。
男の前足がトンと踏み込むように前進・・・ケリの間合いに入った!!
次に男が後ろ足を踏んだ直後がケリに入るタイミングでしょう。。来る!!
ところが、男はなぜか足のリズムを止めました。
それどころか棒立ちになっている・・・?
あれ?しかもビックリした顔で横をみてるぞ。。ここでようやく私の「脳内スィッチ」がoffになり、音が耳に飛び込んできます。
「ぎゃあああああああああああああっ!!」
断末魔の悲鳴・・・というのは、こういうのを言うのか?という男の悲鳴。。
見ると、タカを膝蹴り一発で沈めた男が、なぜか前かがみになって崩れ落ちて行きます。。悲鳴を上げながら。
なんとヒザを地面についていたタカの右手が男の股間に伸びています。
・・・つまり・・タカは男のキン○マを掴んでるんだ!!
これはたまりません。なにしろ片手二本指での腕立て伏せを日課にしていて、スリランカのニッケルコインをかすかにですが曲げたほどのタカの指の力です。
タカにのしかかるように男は崩れ落ちましたが、タカはそのうしろ襟を左手で
つかみ、そのまま仰向けにひっくりかえします。
・・・白目を剥いてる。殺してないだろうな・・・?
気がつくと私の前方にいる”第二の男”は、その凄惨な光景に目を奪われてポカーンと突っ立っています
・・・チャーンス!!
私は男に向かってダッシュしました。
男は気がついてこっちを向きますが、もう遅い。
私は両手で男の胸を突き飛ばしました。大きくのけぞりながら後ろによろめく男にそのまま抱きつき・・・押しの一手・・・です。
「どおすこおーーーい!!」
私は体重ならムエタイごときに負けないのだ!
”第二の男”と私はひとかたまりになって、2台のトゥクトゥクの間を通り抜け、そのままドーンと壁に激突します。
壁に背中を思い切り打ち付けた”第二の男”はそのままズルズルと壁にもたれるようにして座り込みます。これでしばらくは動けまい。
振り返るとタカは私と背中あわせに立ち、周りのヤジウマたちを目で威嚇しています。伏兵はいるのか?
そのとき、激しいクラクションの音がヤジウマの輪を2分します。
白いワゴン車がその間を通って私たちの前に停まります。チャトゥチャイの車だ。
「トミーさん!無事か?」車から飛び降りるチャトゥチャイ。
「ああ、なんとか。。。チャトゥチャイ、待ってたよお」
・・・やっと、味方のタイ人が着てくれた。。
プラーはどこだ?見るとプラーは先ほどの場所にそのまま立っています。
そしてこちらを睨んでいる・・・私はやっぱり、こいつが一番コワイや。。