中空会コロンボ支部道場
文字数 1,362文字
コロンボというところはアジアでも有数の空手道場激戦区です。
日本のコンビニのようにたくさんの空手道場があります。(ちょっと大袈裟)
大手では**会館、**協会、日本以外の勢力ではTコンドー、××国術会。
中堅の空手諸流派からマイナー団体・・・さらにあきらかなインチキ道場まで含めると一体どのくらいの道場がひしめいているのやら。。
さて、我らが中空会コロンボ支部デワ道場はこれらの道場群のなかでもマイナー中のマイナーでして限りなくインチキ道場に近い・・・なにしろ支部長のデワはほとんど空手なんかできませんし、初期のころ教えていたのは他ならぬこの私です。
今、メインで教えているのは他所のマイナー道場から出張してもらっている指導員ですからまあ、まともなはずがない。
そもそも日本の本部だって少年空手教室みたいなもので、海外に支部を作る器などまったく無いのですから・・・。
そのデワ道場は私たちが宿泊しているホテル、つまりデワの父親が経営しているホテルのホールを使っています。
私とタカは道着に着替えて稽古に参加することにします。
実をいうと私は道場稽古は数年ぶりですしタカは初めてなのです。
「気分はどうだタカ?」
「いやあ、なんか緊張するけどわくわくしますねえ」
私が礼をして道場にはいるとタカもそれに習って道場にはいります。
道場内には30数人の生徒がいます。知った顔も数名いますが以前よりも人数が減っています。
私たちは日本から来たセンセイという事になっていますので一斉に皆の注目を集めます。
しかし、なんかだらけた雰囲気です。にやにや笑っているもの床に座り込んでだべっているもの。
道場につき物の緊張感というものがない。
・・・この道場、長くは持たないな。ま、もともとインチキなんだから仕方ない。。
それでも稽古は始まります。
指導員のバトウ氏が日本語の号令をかけます。準備運動に続いて・・・
「中段突き用意!構えてえ!」「えいや~っ!」
いくらだらけた道場とはいえ集団で基本稽古をやるとそれなりには締まってくる。
私もひさしぶりの集団稽古の一体感を味わいました。
タカも一生懸命やっております。
基本が一通り終わり、移動稽古をはじめたころにふと気がつくと、いつの間にやってきたのかひとりの若者が道場の隅ででシャドウボクシングのようなことをやっています。
黄帯を締めたその若者は体の固い奴が多いスリランカ人には珍しく、見事な上段回し蹴りや後ろ回し蹴りを連続で決めています。
「バトウさん。あれは誰?」指導員にたずねます。
「彼はプレディと言います。他所の道場から移ってきたんですよ」
「なんでみんなと稽古しないの?あれはマズいでしょう?」
「彼は組手だけやりにくるんですよ。恥ずかしい話ですがうちの黒帯、プレディに勝てる奴だれもいないんです。実は私も・・・・」
・・・ふーん。やっぱりこの道場長くはないなあ。。
しかし、これはちょっとオイシイかな?と思いました。
タカはボクシングとケンカ以外の道場組手というものをやったことがないので、ここに連れてきたのですが、あまりにもレベルが低すぎて相手にならんだろうと思っていたところにこのプレディ君です。
実に格好の相手だ。
わくわくしてきました。さあ組手の時間です。
日本のコンビニのようにたくさんの空手道場があります。(ちょっと大袈裟)
大手では**会館、**協会、日本以外の勢力ではTコンドー、××国術会。
中堅の空手諸流派からマイナー団体・・・さらにあきらかなインチキ道場まで含めると一体どのくらいの道場がひしめいているのやら。。
さて、我らが中空会コロンボ支部デワ道場はこれらの道場群のなかでもマイナー中のマイナーでして限りなくインチキ道場に近い・・・なにしろ支部長のデワはほとんど空手なんかできませんし、初期のころ教えていたのは他ならぬこの私です。
今、メインで教えているのは他所のマイナー道場から出張してもらっている指導員ですからまあ、まともなはずがない。
そもそも日本の本部だって少年空手教室みたいなもので、海外に支部を作る器などまったく無いのですから・・・。
そのデワ道場は私たちが宿泊しているホテル、つまりデワの父親が経営しているホテルのホールを使っています。
私とタカは道着に着替えて稽古に参加することにします。
実をいうと私は道場稽古は数年ぶりですしタカは初めてなのです。
「気分はどうだタカ?」
「いやあ、なんか緊張するけどわくわくしますねえ」
私が礼をして道場にはいるとタカもそれに習って道場にはいります。
道場内には30数人の生徒がいます。知った顔も数名いますが以前よりも人数が減っています。
私たちは日本から来たセンセイという事になっていますので一斉に皆の注目を集めます。
しかし、なんかだらけた雰囲気です。にやにや笑っているもの床に座り込んでだべっているもの。
道場につき物の緊張感というものがない。
・・・この道場、長くは持たないな。ま、もともとインチキなんだから仕方ない。。
それでも稽古は始まります。
指導員のバトウ氏が日本語の号令をかけます。準備運動に続いて・・・
「中段突き用意!構えてえ!」「えいや~っ!」
いくらだらけた道場とはいえ集団で基本稽古をやるとそれなりには締まってくる。
私もひさしぶりの集団稽古の一体感を味わいました。
タカも一生懸命やっております。
基本が一通り終わり、移動稽古をはじめたころにふと気がつくと、いつの間にやってきたのかひとりの若者が道場の隅ででシャドウボクシングのようなことをやっています。
黄帯を締めたその若者は体の固い奴が多いスリランカ人には珍しく、見事な上段回し蹴りや後ろ回し蹴りを連続で決めています。
「バトウさん。あれは誰?」指導員にたずねます。
「彼はプレディと言います。他所の道場から移ってきたんですよ」
「なんでみんなと稽古しないの?あれはマズいでしょう?」
「彼は組手だけやりにくるんですよ。恥ずかしい話ですがうちの黒帯、プレディに勝てる奴だれもいないんです。実は私も・・・・」
・・・ふーん。やっぱりこの道場長くはないなあ。。
しかし、これはちょっとオイシイかな?と思いました。
タカはボクシングとケンカ以外の道場組手というものをやったことがないので、ここに連れてきたのですが、あまりにもレベルが低すぎて相手にならんだろうと思っていたところにこのプレディ君です。
実に格好の相手だ。
わくわくしてきました。さあ組手の時間です。