話はついた??
文字数 1,966文字
ホテルの近所の安食堂。4人でぶっかけ飯を食いに来ています。
「夕べはよく休めましたか」
中田さんは、いつも通りさわやかに。。。
何でこの人、どんな状況でもこう、さわやかな顔ができるんだろう?
「あ、紹介します。彼女は明美ちゃん。カオサンのゲストハウスで知り合ったんです。明美ちゃん、こちらトミーさんとタカ君」
「こんにちは。トミーさん、タカさん」
明美ちゃんと紹介された娘は、小さな体にジャングルでも探検するかのような巨大リュック、軍用のカーゴパンツにTシャツといった、いまどきのマニュアル・バックパッカーの見本のようないでたちです。
しかし、色白できょろきょろ動く目はなかなかにカワイイ。。
「はあ・・・どうも、こんにちは」(トミーはまだ眠い)
「押忍・・・」(タカはほとんどの挨拶はこれで済ます)
「でね、彼女、今は卒業旅行で来ている大学生なんですが、卒業したら日本で輸入雑貨のお店をやるんだそうです」
・・・はあ。。で?・・
明美ちゃんが口を開きます。
「トミーさん。明美、かわいいものが一杯のお店をやりたいんです」
「はあ。”かわいいもの”ですか?・・・具体的には、どういった・・?」
「えー、具体的ににっても。そんな難しいこと分かりませーん!きゃはは!」
・・・カワイイけどアタマは悪そうだ。。何がうれしくて笑ってるんだ?
「そうなんですよ。話しを聞いてみると、まだ具体的なことが何も決まってないんです。なので、ちゃんと商売が始められるように、僕がアドバイザーとして仕入れに同行することになりまして」
・・・出た!中田さん。。あんた一体何をアドバイスする気だ?
「中田さんてスゴイ親切なんですよー。重たいものいっぱい持って明美が困ってたのを助けてくれたし、タイ語ペラペラなんですねえ。。すっごーいのお」
・・・まあ、この手合いは、ほっといてもタチの悪いのに引っかかるタイプですから、まあ中田さんに引っかかったのは運のいい方でしょう。中田さんなら彼女を女衒に売り飛ばしたりはしないもんな。。。ちょっと遊ぶだけだ。
「・・と、言うわけで・・僕は明後日には彼女とバリに行くことになったんです。かわいい雑貨と言えばタイよりバリですから。ちょっと急な仕事で申し訳ないんですけど。。。」
・・・ちょっと待て!!
「な・・中田さん!そんなことよりプラーの件はどうなったんです!?」
「心配しないでください。今日、ちゃんと電話で話はつきました。問題は大体片付いています」
・・・”大体”・・・ですか?
「あと残る問題はですねえ・・プラーに金を払って荷物を受け取って、それをどうするかです。また部屋に運び込んだんじゃ、一緒のことですから」
・・・それは何とかなる。
「分かりました。在庫はみんなチェンマイに送りましょう。静子さんの民芸品のファクトリーに置いてもらいます。委託で売ってくれてもいいよ・・って条件で」
静子さんはチェンマイで染織、縫製などの工場を経営している女性社長で、最近はナイトバザールに民芸品のお店も出しています。
「そーですか!じゃあ、そっちはお任せします。これで全部解決ですね!!あ、ところで・・・あとひとつ・・お願いがあるんですが」
・・・え・・何か嫌な予感が。。
「僕は明美ちゃんのアドバイザーの仕事で、バリに行かなければなりません。そこでトミーさんにプラーから荷物を受け取りにいってほしいんです。お金はいま渡しておきます。15000バーツで話つけてますから・・・あ、トミーさんの腹は痛めません。心配しないで・・」
・・・そ、そんな!
「プラーに僕が会うんですか?嫌ですよ!あんないつも怒ってる奴に」
「あー。。心配しないで。今回の話にはプラーのピーチャイが間に入ってくれてます。トミーさんはただ行って、お金を払って荷物を受け取るだけ。あとはそれをチェンマイに送ってくれれば、全部終了です。場所はピーチャイの店。つまり前の僕らのお店です。今度の日曜、時間は朝10時です」
・・・・・・。
「・・・で、何であんなバカな話、引き受けちゃうんですか」
中田さんたちが帰った後、私はタカに怒られています。
「いやあ、まあ明美ちゃんにも頼まれちゃったし。お願い・・って」
「あんなバカ女、関係ないっしょ!・・ったく。。」
「まあ、そんなに怒るなよー。中田さんがほとんど話しつけてるって言ってるし、ピーチャイが間に入ってるんなら、まあ大丈夫だ。あの人は温厚な人格者だから・・・。」
「かあっ!師匠、ピーチャイってプラーの実の兄のことでしょ?そんなのいざとなれば妹に味方するに決まってるじゃん。第一、師匠はあの女が48000バーツ要求してたのに、本当に15000ぽっちで納得すると思ってるんですか?」
・・・たしかに、言われてみればタカの言う方が当たってるような。。
「夕べはよく休めましたか」
中田さんは、いつも通りさわやかに。。。
何でこの人、どんな状況でもこう、さわやかな顔ができるんだろう?
「あ、紹介します。彼女は明美ちゃん。カオサンのゲストハウスで知り合ったんです。明美ちゃん、こちらトミーさんとタカ君」
「こんにちは。トミーさん、タカさん」
明美ちゃんと紹介された娘は、小さな体にジャングルでも探検するかのような巨大リュック、軍用のカーゴパンツにTシャツといった、いまどきのマニュアル・バックパッカーの見本のようないでたちです。
しかし、色白できょろきょろ動く目はなかなかにカワイイ。。
「はあ・・・どうも、こんにちは」(トミーはまだ眠い)
「押忍・・・」(タカはほとんどの挨拶はこれで済ます)
「でね、彼女、今は卒業旅行で来ている大学生なんですが、卒業したら日本で輸入雑貨のお店をやるんだそうです」
・・・はあ。。で?・・
明美ちゃんが口を開きます。
「トミーさん。明美、かわいいものが一杯のお店をやりたいんです」
「はあ。”かわいいもの”ですか?・・・具体的には、どういった・・?」
「えー、具体的ににっても。そんな難しいこと分かりませーん!きゃはは!」
・・・カワイイけどアタマは悪そうだ。。何がうれしくて笑ってるんだ?
「そうなんですよ。話しを聞いてみると、まだ具体的なことが何も決まってないんです。なので、ちゃんと商売が始められるように、僕がアドバイザーとして仕入れに同行することになりまして」
・・・出た!中田さん。。あんた一体何をアドバイスする気だ?
「中田さんてスゴイ親切なんですよー。重たいものいっぱい持って明美が困ってたのを助けてくれたし、タイ語ペラペラなんですねえ。。すっごーいのお」
・・・まあ、この手合いは、ほっといてもタチの悪いのに引っかかるタイプですから、まあ中田さんに引っかかったのは運のいい方でしょう。中田さんなら彼女を女衒に売り飛ばしたりはしないもんな。。。ちょっと遊ぶだけだ。
「・・と、言うわけで・・僕は明後日には彼女とバリに行くことになったんです。かわいい雑貨と言えばタイよりバリですから。ちょっと急な仕事で申し訳ないんですけど。。。」
・・・ちょっと待て!!
「な・・中田さん!そんなことよりプラーの件はどうなったんです!?」
「心配しないでください。今日、ちゃんと電話で話はつきました。問題は大体片付いています」
・・・”大体”・・・ですか?
「あと残る問題はですねえ・・プラーに金を払って荷物を受け取って、それをどうするかです。また部屋に運び込んだんじゃ、一緒のことですから」
・・・それは何とかなる。
「分かりました。在庫はみんなチェンマイに送りましょう。静子さんの民芸品のファクトリーに置いてもらいます。委託で売ってくれてもいいよ・・って条件で」
静子さんはチェンマイで染織、縫製などの工場を経営している女性社長で、最近はナイトバザールに民芸品のお店も出しています。
「そーですか!じゃあ、そっちはお任せします。これで全部解決ですね!!あ、ところで・・・あとひとつ・・お願いがあるんですが」
・・・え・・何か嫌な予感が。。
「僕は明美ちゃんのアドバイザーの仕事で、バリに行かなければなりません。そこでトミーさんにプラーから荷物を受け取りにいってほしいんです。お金はいま渡しておきます。15000バーツで話つけてますから・・・あ、トミーさんの腹は痛めません。心配しないで・・」
・・・そ、そんな!
「プラーに僕が会うんですか?嫌ですよ!あんないつも怒ってる奴に」
「あー。。心配しないで。今回の話にはプラーのピーチャイが間に入ってくれてます。トミーさんはただ行って、お金を払って荷物を受け取るだけ。あとはそれをチェンマイに送ってくれれば、全部終了です。場所はピーチャイの店。つまり前の僕らのお店です。今度の日曜、時間は朝10時です」
・・・・・・。
「・・・で、何であんなバカな話、引き受けちゃうんですか」
中田さんたちが帰った後、私はタカに怒られています。
「いやあ、まあ明美ちゃんにも頼まれちゃったし。お願い・・って」
「あんなバカ女、関係ないっしょ!・・ったく。。」
「まあ、そんなに怒るなよー。中田さんがほとんど話しつけてるって言ってるし、ピーチャイが間に入ってるんなら、まあ大丈夫だ。あの人は温厚な人格者だから・・・。」
「かあっ!師匠、ピーチャイってプラーの実の兄のことでしょ?そんなのいざとなれば妹に味方するに決まってるじゃん。第一、師匠はあの女が48000バーツ要求してたのに、本当に15000ぽっちで納得すると思ってるんですか?」
・・・たしかに、言われてみればタカの言う方が当たってるような。。