Twinkling

文字数 522文字

鳥みないた黒い大きな人間が上空から現れて、ダーンッってイキナリ道をつくった。
一瞬の出来事だった。
ふつうの道ではない。ダイアモンドがどこまでもギッシリ敷き詰められていて歩きにくい道だった。ぼくは靴をはいていないので、チョット歩いただけで血まみれになった。ということになりかねない。
この道は学校にいくには一番近道だった道を覆い隠してしまった立派なものだった。広い道だし、両サイドには天衝くビル郡がガラスを輝かせている。
立派だよ。
だけど靴のないぼくは逆立ちしたってとおれない。
だから、ちっぽけな獣とかしか使わない道をいくしかなかった。ずいぶんとおまわりだ。遅刻してしまうかもしれない。だから薄汚れたネズミなんかと道を共有して、とにかく先生に尻をたたかれたり万力に指をはさまれたりしないように必死で学校にむかった。なんで登校で汗をかかなきゃならないんだと不平をいだきながら、アッ、シマッタとおもった。
ダイアモンド拾えばよかったじゃないか。白パンだってベントレーだって買えたぞ。児童らしからぬ欲望がうずまいた。ヴィトンのパンツだって買える。女の子にモテるぞ。
よし、あの道にもどろう。先生なんか、あとで買収すればいい。

それはいま思えば、大人になる道だった。
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