29、カサ・バトリョ(1)

文字数 1,092文字

バルセロナ1日観光ツアーで最後に訪れたのはカサ・バトリョでした。作品集は下の画像から入ってください。
余も現代の日本にやって来てかなりの年月を作者と一緒に過ごしているので、日本にある大抵のものには驚かなくなったが、逆にスペイン旅行の写真を見て驚いている。現代のバルセロナにはこのような建物があるのか。
はい、そうです。行った時は夢中になって写真を撮っていましたが、後で見返すと驚くべき発見があります。
観光バスを降り、カサ・バトリョに入る前に建物の外側がよく見えるベストポジションにガイドさんが案内してくれました。
なんかすごい建物です。私達が生きていた時代、フランスやイタリアにもこのような建物はなかったと思います。
フアン1世はフランスばかり褒め称えている。なぜ我らが祖国アラゴンの素晴らしさを宣伝しようとしないのか。
だってアラゴンの城はモンソン城のように地味で頑丈、美しさに欠けています。
昔のアラゴンはどうかわからないが、現代のバルセロナはかなり派手になっていると思う。
カサ・バトリョの屋根の部分はドラゴンのような形をしていて鱗もついています。
現代人の感覚はよくわからない。なぜ邪悪な生き物の象徴のようなドラゴンを教会の屋根に乗せるのだ?
カサ・バトリョは教会や城ではなく個人の邸宅です。
バルコニーは鉄仮面のような不思議な形をしています。
この城の主はドラゴンを飼っていて、夜になると気に入らない人間をドラゴンに食べさせ、その頭蓋骨を見せしめとして窓にさらしているのか?
ヴェンツェル、それはないと思います。
でも昔は残酷なことがいろいろあったので、そうしたドラゴンの伝説も生まれたのだと思います。
隣の建物もカサ・バトリョに負けない位に派手派手です。
派手だけど実用性がなく、すぐに壊されそうな城だ。
後で知ったのですが、この隣の建物「アマットリエール邸」を見たカサ・バトリョのオーナー、最初の自分の建物は気に入っていなくて、隣に負けない位美しい建物を作って欲しいとガウディに改修を依頼したそうです。
つまり競争心がきっかけとなってカサ・バトリョが作られたのですね。
私はどちらかというと隣の建物の方が繊細でフランス的な美しさがあって気に入りました。
余はこの兜のような窓が気に入った。アラゴンの強さを象徴している。
こうした建物は僕達が生きていた頃よりもずっと後の時代に作られました。でも僕達の生きた時代と全く無関係ではない、同じアラゴン、バルセロナに生まれた作者が、アラゴンの伝説や神話、素朴な信仰心などをモチーフにして新しい芸術的な建物に作り変え、世界中の人を魅了している、素晴らしいことだと思います。
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