第12話 慶良間の海でもらったもの

文字数 558文字

実は、ダイビングのライセンスを持っている
と、言うと、単純に「カッコいい」
実際、持っているからライセンス証を見せると
「おお!」となる
けれど、いわゆるペーパーダイバーだ。

車のペーパードライバーよりも酷いかも知れない
なんせ、取得した日から一度も潜っていない。
しかも、一番取りやすいCクラスだから
今潜ると、命の危険に晒されるに違いない。

ダイビングはバディと呼ばれる相棒と二人一組だから
仲間まで危険に巻き込むかもしれない
そう思うと、もう潜れない
機会を逸したまま10年以上が経つ。

でも、ライセンスを取りに潜った
”慶良間の海”の美しさは忘れられない。

怖いくらいの透明度で
海底や一緒に泳ぐダイバーとの距離感が狂ってしまうほど
すぐソコに見える海の底に、たどり着けない不思議さと怖さ。

ベテランでも、これほど透明な海は珍しいと言う
不透明な海底の危険もダイビングの醍醐味とも言うけど
景色を単純に「美しい」と言わせるほど
慶良間の海は澄んでいた。

いつかまた、潜ってみたい
こんな僕だけど
誰かに「ライセンスを取ろうかな?」
って相談されたらどう答えるかな?
「機会があれば、絶対に取った方が良い」
と言うだろうな。

海底18mで聞く音
見上げた海面
透明な海を漂う浮遊感
いくつかの[幸運]も必要だけれど
身近な人と潜れば
慶良間は、一生話せる思い出をくれるからね。
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