第16話 夕凪なんて穏やかな浦添ようどれ

文字数 367文字

”ようどれ”を音書きすると「ユードゥリ」となるらしく
漢字で表すと「夕凪」ですって
つまり、夕方のおだやかな海のようす

三山統一前後の伝説の国王「英祖王」
薩摩に侵攻された不遇の王「尚寧王」

世継ぎの生まれなかった先代を継いで
浦添の分家から王に招かれた異色の経歴を持つ

王の陵墓とされる首里の玉陵に入るのを嫌い
故郷の浦添に葬るように命じていたと伝えられる

遠い先祖? 太陽の子(てだこ)と呼ばれる英祖王の
墓を整備し自らも隣に墓をこさえた

沖縄戦の激しい戦火にさらされ
ようどれ一帯は無惨に破壊された

驚くべきは西側の英祖王の墓
窓のある墓室なんて見たことがない
片方の窓は冬至の太陽が低く長く届くという

波乱に満ちた賢王だから
お墓でありながら穏やかに眠りたまえと願ってしまう
だからこそ
破壊からの復興も遂げたのではなかろうか

夕凪なんて
穏やかに眠れる名前をもらって
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