ホシミカミの誘惑(後編)
文字数 994文字
しーん、とした空気が一帯を支配する。きょとんとするヨダカとホシミカミをよそに、ミリフィエールは必死に、『夜の鳥かご』をヨダカに掲 げて呪文を繰りかえす。
まともな状態でホシミカミに悪意を向ける存在がいるなどありえない、と信じて疑わない様子のミリフィエールに、ホシミカミは愛しさのあまり、震えだす。
ひとしきり悶 えた後、ホシミカミはふたりから少し距離をとる。
そう言うと、ホシミカミはスッとふたりの前から姿を消した。
うつむき、深く考えこんだ様子のミリフィエールに、ヨダカは辛抱 ならない、といった面持ちでミリフィエールに向きなおった。
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