ホシミカミとミリフィエール
文字数 1,514文字
その、左右異なる色の愛らしい瞳をうっすらと潤ませたミリフィエールは、手に、邪 なる精霊を封じこめるための魔術具・『夜の鳥かご』をにぎりしめ、美しい面差しの青年を見あげた。かつて、敬愛し仕えていた神・ホシミカミだ。
全てのはじまりは、さかのぼること、ひと月前。
ミリフィエールはホシミカミの神殿で、上機嫌に籐製のバスケットを広げた。
ぐっと、ミリフィエールに迫るホシミカミ。
ミリフィエール、パニックになり、腰のベルトにさしていた銃を乱射する。
しばらく真っ赤な顔でふるふると震えていたが、何とか落ち着きを取りもどし、銃をおさめるミリフィエール。
長い沈黙が続き、ミリフィエールはその気まずい雰囲気に、あわてて話題を変える。
意を決したように瞳を閉じたホシミカミの周りに、黒い光がうずまきはじめる。
そう言うとホシミカミは、ふわりと姿を消してしまった。
そして、ミリフィエールの旅立ちのときは、訪れたのだった。
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