第８１話　優先

「どういうことですか？」
高崎くんが僕がさらに効率を上げるアイデアがあることにたいして質問した。
今まですでに類似度順に回るというアイデアが出ていた。
さらにもうひとつアイデア僕は思いついていた。

「うん、このアプリを使ってくれてる人のなかでも効率が良い人がでてきてるんだ」
僕が言う。
そう、実はそういうデータは全て取ってある。
誰が何件取っていて、どれだけの成果を出しているのか。

「あ、そうなんですか？」
高崎くんが聞く。
そう、これは今まで見ていなかった。
これを知るにはみんなが同じ条件でやる必要があるからだ、十分な量こなすことができたのでその量がたまっていた。

「うん、アタック数のランキングが出てる」
僕は言う。
そういいながら、その画面をだして置く。
普通の人が見ても一番わかりやすいように設定した。

「さすがですね」
大和くんが言う。

「先読みしてたんだね！」
ヒカルちゃんが喜ぶ。
そう、常に先読みが大事だという話をしていた。
そしてそれにより大きな成果が出つつある。

「え、見てみたいです！」
高崎くんがいう。
そして僕の画面に近づく。近い近い！といつものやりとりをしていたら二人が笑っていた。
教育上よろしくないのでは・・・。

「あ、やっぱりこの2人ですね！優秀なんですよね！」
高崎くんが言う。
やっぱりピンときたらしい。
彼女からすると有名な二人らしい。

「ってなるよね。この2人だけ他の人の2倍の速度でこなしてる」
僕が言う。
凄まじい差が出ている。
同じように効率がされたアプリケーションを使っていてもこのぐらいの差が出るのがおもしろいところだ。

「へー、すごい。そしてどうやら今回2人とも1人ずつ脱走犯を捕まえてるね。優秀だなー」
僕が言う。
詳細ボタンをクリックして僕は見た。
ちゃんと成果まで出ていた。素晴らしい二人だ。

「そこまでわかっちゃうんですね」
高崎くんが言う。
不思議そうに見ている。
ちゃんと評判通りの人物がきちんと仕事をしているのがわかる。

「この2人に優先して割り振ろう」
僕が言う。
この二人への係数を高めにする。
こうすることによりより速く事件が解決する可能性が高まる。

「そういうことができるんですね。戦略本部長みたいですね」
高崎くんが言う。
そう、通常の事件の作戦本部の部長がやることと類似していた。
どこにリソースを大きく割り振るか、それが大事だ。

「データサイエンスはそういう部分が大きいんだよね。会社の場合は第二の経営者的な側面を持つ」
僕は言う。
さらに細かいリアルタイムな戦略をデータサイエンティストは考えていると言える。
僕らはそうやってこの捜査を支えていく必要がある。

「おもしろいですね！」
高崎くんが言う。
彼女は若いがキャリア組のエリートでこういう最先端部署に配属される人なのでいずれそういう仕事をやるようになる。
いまのうちからテクノロジーとの融合点を知って置くのはかなり大事なことだ。

「面白く大事な仕事だね」
僕は言った。