第14話 超解像

文字数 1,158文字

「え!佐鳥先生ならできるんですか?」
美少女警官の高崎くんが僕と佐々木に聞く。
目をキラキラ輝かせて僕の方を見つめる高崎くん。
佐々木のおかげで期待が高まりすぎてないか心配だ。

「できるよ、佐鳥ならね!」
そういいながら大きなジェスチャーで僕の方を指す。
さらに、期待を煽る佐々木。
ほどほどにして欲しい、と口に出すか迷ったが出さなかった。

「一応専門分野だからね」
僕はそう言って笑った。
僕らが所属する特別犯罪研究室は、ビッグデータの発展に伴う、犯罪を研究する部署で、僕はそこが得意なので呼ばれている。

「先生なら画像を拡大することができるんですか??」
高崎くんは僕に向かって聞いた。
そう、今回の事件は、瞳の中に映る画像を拡大して、写真を撮った人間を特定したのではないか、と推測されていた。

「そう、そもそも元の解像度以上に、解像度を上げることを工学用語で『超解像』と言うんだ」
僕は、少しエンジニアリングの説明をするところから始めることにした。

「超解像!!すごそうですね!」
高崎くんは笑った。

「エンジニアリングだと、superはよく使うからね!」
話を聞いていた、佐々木もそう言って笑った。

「そう。で、超解像と言うのは、割とエンジニアの古くからの夢でね!かなり昔から研究されているんだ!」
僕はそう説明した。

「え!そうなんですか?でも今まではできなかったんですよね・・・?」
高崎くんは僕の話を理解した。

「そう、解像度を下げるアルゴリズムは昔から存在して、まぁ、わかりやすいのがモザイクだよね」
僕はそう説明した。

「あ!わかった!モザイクを取り外すのは男の人の夢ですもんね!」
そう言って高崎くんは笑った。大丈夫です、男の人のロマン理解できます!と謎のフォローをしていた。

「そういう感じで、解像度を下げるのは簡単だったから、上げるのもできるはずだろうということで、かなり研究されていたんだ。論文もたくさん出ている」
僕はいくつか読んだことがあったので、そう説明した。情報系の定番の研究とも言える。

「どうやってやろうとしたんですか?」
高崎くんは僕に聞いた。当然の質問だ。

「そう、昔は、周りから類推して、なんとか倍のピクセルにできないか、という方向性が多かった。しかし、その方法は全然成功しなかった」
僕はそう言った。

「最近の方法は違うんですね?」
高崎くんは聞いた。

「そう、新しい方法は今までの方法と全くことなる。現代ならではの方法で解決する方法を開発したんだ!」
今までの与えられた画像から類推するのとは全く違うアプローチで大きな成果が出たのだ。

「え、どうするんですか?」
高崎くんは聞く。

「ビッグデータを使うんだ!」
僕はそう言って笑った。
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