第６４話　顔を隠す

「この方法で見つかるのは、このぐらいまでかな」
僕はヒカルちゃんの作り出した、正面顔認識を使った、結果についていった。この方法で二人まで確保した。残りは三人。まだ結果は出ていないが新しい方法を試す必要がある。

「そうなんだね！」
ヒカルちゃんが言う。彼女は今までのは既存の方法を組み合わせただけで、これからが本番だということはよくわかっていた。

「流石に顔を隠すぐらいはしてくるかな」
僕は言う。そうふつうに考えて、脱走犯がそのまま顔を出しているとは考えづらい。しかし脱出した瞬間とかはなかなかそういう防御も難しいので二人は見つかったのだろう。そこをうまくくぐり抜けて、今も逃げ続けられている人が3人いる。ここからが勝負だ。

「流石に正面向いてくれないかも！まずはある程度の傾きにも耐えられるようにしたいんだよ！」
ヒカルちゃんが言う。いままでのアルゴリズムの弱点を出した。その方法ももう頭に浮かんでいるようだった。

「そうだね！」
僕がうなずく。

「これ、顔が認識できなかったものの画像って出せる？？」
僕は聞く。まずはどのぐらい顔を取りこぼしているのかをしる必要がある。それをまとめて対策を打つべきだからだ。ついでに取れてる方をみるとやはり正面をしっかり向いているものたちだった。

「ガッテンショウチ！！」
ヒカルちゃんは、そう言いながら、ッタッターンとコマンドを打ち始めた。

「それっていまの中学生のセリフなの？」
僕が笑って聞いた。

「なんか流行ってるんだよ！youberが言ってるらしいんだよ！」
ヒカルちゃんが言った。彼女が自分で見たわけではなく友達に聞いたのだろう。そういうのも大事にしているヒカルちゃんらしかった。

「なるほどね。時代は巡るね」
僕はうなずく。

「出たよ！」
ヒカルちゃんがパッとだした。

「素晴らしい。取れてるものにはフラグたてておいたんだね！」
僕は何故それがいきなり出せたのかについて言及した。

「ここまでやってくれると、気持ちいいですね。誰にも習ってないんですよね？」
大和くんがそのヒカルちゃんの動きについて言った。

「ね、なかなかの逸材だ。さて、これで顔が映ってるはずなのにプログラムが認識できてないものが集まった！」
僕は言う。僕は言った。今の状態なら、顔を取りこぼした画像だけが抽出されている。

「あ、わかった！それがやりたいならもっといい方法があるんだよ！」
ヒカルちゃんは言った。いまの僕の説明で真にやりたいことに一瞬で気がついたようだ。

「お？」
ぼくが聞く。

「顔が認識できてるものと出来てるものの間でできてない写真には顔が含まれてる可能性が高いんだよ！」
ヒカルちゃんはこともなげに言った。そう最初のやりかただとそもそも人が写ってない景色みたいなものが大量にでてきてしまう。ヒカルちゃんが言った方法は、それを大幅に減らして、人がうつっているはずだが取りこぼしたものだけ取り出せる方法だった。

「すごい」
ぼくはつぶやく。

「天才ですね」
大和くんも呟いた。