第100話 ビッグデータ探偵

文字数 1,220文字

「そういう感じで、格闘技達人推定とかやるとおもしろそう」
僕は話を戻して、佐々木に言った。
高崎くんの持っている強さ推定能力を人工知能に取り入れて、何か佐々木研究室で面白いメディアアートにできないかと言うアイデアだった。

「それはうち向きなアイデアだね。うん、それはやろう」
佐々木が言う。
そう佐々木研究室向きのアイデアだった。
派手で面白い。
そして他にやっているところは多分ないだろう。

「そう言ってくれると思ったよ」
僕は言う。
長年の付き合いなので彼が喜びそうなアイデアのあたりはつく、今回の僕らの技術を横展開して色々できると良い。

「おもしろそうですね!」
高崎くんが言う。
高崎くんも強さ推定の研究に興味を示した。
今回のこともそういう装置があって誰でもわかれば危険がなかったかもしれない。

「いや、しかし、今回は佐鳥大活躍だな」
佐々木が言う。
確かに今回色々な成果が出たと思う。
これからもどんどん出したい。

「うん、まぁ仕事だからね」
僕は言う。
そう僕はちゃんと仕事をやったと言うことだった。
そのせいかたまたま世間を揺るがす大きな事件の解決に一役かえたと言うことだった。

「いやいや、面白かった。さながらビッグデータ探偵というところだな」
佐々木は今までの話を聞いて、まとめた。
そう、ビッグデータ探偵と。
ビッグデータの力により犯人を突き止めた。そしてそのあとは警察の皆さんの仕事だ。

「あ、なんかカッコいいですね!」
高崎くんも喜んでいる。
僕の仕事を一言で表せる面白い単語だと喜んでいる。
今回の件でビックデータが調査に活かせることがわかったのでますます進んでいくだろう。

「そうかなー」
僕は笑う。
探偵なの?警察との共同研究なのにと言った。
探偵はあまりお金を持っていない気がするけど、僕は普通に給料をもらう公務員だ。公務員探偵なんているのか??

「そうですよ!」
高崎くんが言う。
自信を持ってください!みたいな謎のアドバイスをくれた。
さながら私は優秀な助手ですね。みたいなことを言っている。

「まあ、これからもしっかりやっていくだけだね」
僕は言う。
それは全く変わらない。
最先端技術を用いてより良い社会を作るということだ。

「真面目な探偵だなぁ」
佐々木が笑う。
一般的な探偵のイメージとは大きく異なるだろう。

「公務員だからなぁ、ハードボイルドでもないし」
僕は言う。
小説のようにハードボイルド探偵と言う訳でもない、格闘は苦手だ。
できるだけ血は流れないでいただきたい。
血の流れない、人の死なないミステリーを目指していただきたい。

「いいじゃないですか、ビッグデータ探偵!」
高崎くんが言った。
派手な部分は私が担当しますよ!と笑った。
そう彼女は派手なアクション担当の優秀な助手だった。

「うん、まあちゃんと頑張るよ」
僕は言った。

僕らは研究を続けていく。
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