第57話 大学教員

文字数 1,301文字

「なんで佐鳥先生は大学の先生になったんですか?」
僕が企業を上場させたファウンダーの一人だと知って、高崎くんはシンプルな質問をした。普通に考えたらその会社の役員を続けると言う展開になりそうだからだろう。

「そうだね。いろいろなデータが見たいからだね。ゲームだとゲームユーザのデータしか見れないからね。これからの時代本気でデータサイエンスを極めるには公的な機関に行く必要があったんだ」
僕は答える。これからどんどんデータを公開されなくなっていくことが予想できた。なので僕は公的機関に所属してきちんとデータが見れる環境に身を起きたかった。

「先生たちが作った会社はゲームにデータ解析を活かしたことで有名なんだよ!!」
ヒカルちゃんが説明してくれる。そう僕たちが作った会社は当時珍しくゲームにデータサイエンスを取り入れていた。どう言う状況でゲームをやめてしまうのかを徹底的に解析して改善していた。

「そうだね、当時の技術力とコンピュータパワーでできることはやった感じだね。もっと公的なデータを解析した行きたいと思ったんだ」
僕は説明する。ゲームはゲームで面白いのだが取れるデータは限られてくる。僕はもっと人間の動きがどうデータとして出てくるのかに興味があった。

「だから、この特別犯罪研究なんですね!」
高崎くんが、そのことに気が付いて喜ぶ。

「そう、これは最高だよね。こんなデータ普通の仕事だと見せてもらえないからね」
僕もテンションが上がる。この特別犯罪研究室は本当に僕がずっと夢見ていたものだ。このような仕組みを作るのは一般人には難しく、大学の教員を選んで正解だったと言える。

「そうだったんですね」
高崎くんが頷く。

「そもそも、すべての分野にデータサイエンスは入るべきなんだけど、なかなかそうもいかないからね。ITのゲーム寄りのものが最初に発達して、フリマアプリとかも活発だけど、もっとこういう物理的なものにも導入していかないといけない」
僕は説明する。今まではやはりバーチャルなものがやりやすかった。今後はどんどん物理的なデータを集めて、色々なものを解析して世の中から不安や不満を取り除くと言うことが必要になってくる。

「ここから始まって、警察にもどんどんデータドリブンで考えてくれる人が増えてくれるといいよね」
僕は説明を続ける。そう、そもそもデータ解析とは一人ができればいいわけでなく、所属する全員ができるようになるべきものだ。

「まずは、その恩恵を体感してもらう必要がありますね」
大和くんが言う。そう彼はわかっている。

「その通り」
僕も頷く。

「高速で結果を出す必要がある」
僕は続ける。

「よし!バシバシ出していくんだよ!」
ヒカルちゃんもテンションをあげてPCにタイピングし始めた。

「期待してるよ」
僕はヒカルちゃんに言う。そして彼女は頷いている。

「はい!もしもし!高崎です!」
高崎くんは電話を受けて話を聞いている。

「先生!1人逮捕されたそうです!!」
高崎くんは受話部分を抑えながら僕たちに言った。

「よし!残るは4人だね!」
僕は言った。
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