第117話 七一2  長居する貴人 

文字数 246文字

また、さりとて表に出しては、よう言えず、「あな」と高い声で言いうめきため息をつくのも、
「心には下行く水のわきかえり言はで思うぞ言うにまされる」の和歌にもあるような、かわいそうな状態でもある。
立蔀、透垣などのもとにて「雨降りぬべし」など、聞こえよがしに言うのも、ひどくにくらしい。
 たいそう位の高い人の御供人などは、そんなことをしない。高貴な若君たちなどは、まずまずである。それより身分の下れる者は、皆なそんなもんだろう。
あまたある家来の中でも、日ごろの心ばえ見てぞ、率いて歩きたいものである。
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