第44話  三〇2 鮮やか単衣に青鈍の袴 

文字数 451文字

□蔵人をやっていた人で、昔は行幸のおり馬に乗って先導する御前などは今は辞めて、その年だけは、内裏の方へは影も形も見えませんでした。今ではそんなことはない。蔵人の五位であるので、それを忙しく召し抱えられ使われいるのだが、なお、昔とった杵柄なので所在ないこともあり、心の中は少し暇になったなあと感じるのであろう。さっきの説教のような場所へ、一二度聞きに行き始めると、常に行って拝聴したくなって、夏の暑いときに、単衣の鮮やかな衣を着て、
薄二藍や青鈍の袴などをくるぶしのあたりで縛って履いている。烏帽子に物忌みの札を付けているのは、家に居なければならないのに、神仏への善行である功徳だから、支障ないだろうと思っていたのであろうか。
※この項は面白いですね。昔の男も、衣装については、お洒落だったのでね」。馬に乗って先導するのに、鮮やかな上着をきて袴の裾を縛って、その袴の色も薄二藍や青鈍の色である。その姿を見てみたいですね。最近の女性の服装も、お洒落な感じが人が多いですが、おとこのお洒落もいいでしょうね。
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