第166話 110 高瀬の淀を舟で
文字数 237文字
四月の月末の頃に、初瀬に詣でて、淀の渡りというものを経験したが、舟に車を据え付けて渡って行くのだが、菖蒲や菰などの先をつかんで切り取らせみると、とても長いものだったので驚いた。菰を積んだ舟が行きかうのをみるのも風情があるのもだ。「高瀬の淀に」とは、この風景を詠んでいるのだろう。
五月三日、帰りにこ高瀬の淀を通ったのだが、雨が少し降っており、菖蒲を刈っているときで、笠のひどく小さいものを被り、脛を高くだした男の子などもおり、屏風の絵に似ている様子は、趣があるものである。
五月三日、帰りにこ高瀬の淀を通ったのだが、雨が少し降っており、菖蒲を刈っているときで、笠のひどく小さいものを被り、脛を高くだした男の子などもおり、屏風の絵に似ている様子は、趣があるものである。