第185話 126 雨後の水玉
文字数 255文字
九月のころ、夜一夜降り続けた雨が、今朝は止んで、朝日が鮮やかに出てきたのに、庭の植え込みに露がこぼれるように濡れているのも風情がある。透き垣に付けた飾りの羅紋や軒の上などにかけ渡した蜘蛛の巣が破れ残っているのに、雨がかかり、白い玉を連ねているようで、とてもしみじみとして、風情があるものだ。すこし日が高くなると、萩などがなんとも重たそうなのが、水滴が落ちると、枝が動いて、人の手も触れないのにぱっと上向きに起き上がるのもとても面白い、と言てきたことも、他の人の心にはなんにも面白くないと思うのが、また面白い。