ショパン バラード第4番  ショパン全作品中1番の難曲で傑作

文字数 1,180文字

フレデリック・ショパンはポーランドの作曲家。本作は1842年、作曲者32歳の円熟期に作曲された。ショパンの作品のなかでも特に演奏困難とされる作品の一つであり、傑作の一つとして数えられる。

演奏時間は、10~12分


【トホホポイント】ショパンの名曲は沢山あるが、トホホチョイスは、第62話の「バラード1番」とこの「バラード4番」と、「幻想曲」の3曲である。3曲の名演に出会った時、2つのピアノ協奏曲や英雄ポロネーズ、2番、3番のソナタといった有名曲とは、一線を画する感動の深さを感じるからだ。


 曲の終わりのコーダの最後から9~10小節目の左手での付点の音型が、右手の音型はまり、かつ突き抜けるかっこいい打鍵であることが、MUSTである。


①ユンディ・リ 演奏時間 11:38

【ここがつぼ】2000年のショパンコンクール優勝者。しなやかな美しい演奏。コーダの前に盛大な拍手が入っている。

②クリスチャン・ジメルマン 演奏時間 11:22

【ここがつぼ】1956年生まれのポーランドのピアニスト。1975年のショパンコンクール優勝者。今や世界の巨匠。この映像も王道を行く揺るぎない演奏。

③カティア・ブニアティシビリ 演奏時間 10:19

【ここがつぼ】ジョージア(グルジア)出身のピアニスト。フランス・パリ在住。セクシー過ぎる美人ピアニストと言われるが、技巧も高く重厚な力感のある音も持っている。

この録音は速いテンポで情熱的。エロスを感じる。

④ケイト・リュウ 演奏時間 11:29

【ここがつぼ】③とは対照的な清楚な、それでいて真の強い感じが良い。演奏中の視線が上方にあり、目を閉じたり、口を半開きにしたりの表情にエロスを感じるのは、トホホだけ?

コーダも左手での付点の音型がくっきりで、とてもよい。

⑤仲道郁代  演奏時間 10:45

【ここがツボ】1990年仲道様27歳の時のサントリホールでのライブ。トホホより2歳下の同年代。当時は、その演奏をあまり聴いたことがなく、演奏会のチラシやレコード芸術誌のCDの広告を見て、ヴィジュアルで売り出しているピアニストだと思っていたが、今回バラード1、4番の渾身の演奏を視聴して、目から鱗が落ちた。

⑥中村紘子:バラード全曲(ショパン)

【ここがツボ】音源のみ。4番は22:55から。中村紘子さん(1944~ 2016)は1960年にNHK交響楽団(岩城宏之指揮)の初の世界ツアーに16歳の時に抜擢された。1965年にショパンコンクールに4位入賞。それからは、世界各国で演奏活動を続け、様々な国際コンクールの審査員を務める。テレビにもよく出演していたが、トホホには上から目線の発言に聞こえて、演奏を聴く気になれなかった。今回この音源を聴いて、1960年代にして世界の音楽家となった、戦後日本のピアニストの第一人者であった中村さんの至芸に感動した。

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