【審判の日2日前】小田和成
文字数 1,240文字
「弾丸を避けただと?」
黒ローブ男の持つ拳銃から放たれた弾丸の軌道を読み、三澤は自身に向かって放たれた二発の弾丸を躱した。
すると、三澤は、音もなく黒ローブ男に近づきスティレットの射程圏内まで距離を詰めた。
三澤のスティレットの斬撃が、黒ローブ男の拳銃を弾いた。拳銃が宙に舞う。
黒ローブ男は、宙に舞った拳銃が地面に落ちる前に掴み、そのまま再度銃口を三澤に向けて弾丸を放った。しかし弾丸は全て三澤に躱された。
「バカな・・・」
三澤はそのまま狼狽する黒ローブ男に再度接近し、スティレットを放った。すると黒ローブ男は、何処から出した片手剣でその斬撃を防いだ。
しばらくの鍔迫り合いの後、黒ローブ男が三澤を右足で蹴り飛ばして押し退けると、2人は3mほどの距離を置いて相対した。
すると、突如三澤は後ろに飛び下がった。
その飛び下がる前の位置を、弾丸がビュンと貫通した。
「へぇ、こりゃ驚いた。本当に弾丸を躱せるんだねぇ」
別の男の声がした。
黒ローブ男と三澤が、声の方向を見た。そこには1人の警官が立っていた。その警官の顔は、三澤の持つA4用紙のリストに載っているものではなかった。
その警官は、先ほど桜子と共にいた、小田和成巡査部長だった。
小田巡査部長は、三澤に銃口を向けつつ、片手剣を構える黒ローブ男と肩を組んだ。
「ダメじゃ無いかぁ、美津島雄也君、勝手に単独で彼を狙っては、ちゃんと忠告に忠実に、あくまで計画通りに動かないとね」
小田巡査部長は、肩を組んだ黒ローブ男の、黒頭巾を取った。中から、先日、三澤が狙い、杉浦伸平達を惨殺した小柄男、美津島雄也が姿を現した。
「なぁに、救世主 は慈悲深いお方だ。可愛い信者でもある十字架戦士 の君が素直に謝れば、勝手に行動したことも、ちゃんと許してくれるさ」
美津島雄也は、自身の肩を組む小田巡査部長の腕を強引に払いのけた。
三澤はスティレットを構え直す。
「三澤君、いや、ナンバー3と呼ぶべきか、ここは一旦引かせてもらうよ。
2対1だし、君にとっても分が悪いだろう?
なにせ、僕は君を攻撃出来るが、君は僕を攻撃出来ない からね。
また仕切り直して、再戦といこうじゃないか」
小田巡査部長は美津島雄也を連れて、コンクリート部屋の出口に向かった。
「あとね、君が我々、浄化の絆に手を出してしまったことで、君のお友達は、巻き添えを喰らって、多大な迷惑を被るだろうね。
君の元同級生、平林桜子さんって言ったっけ?彼女の1人娘のお嬢さんに、命の危険が迫っているよ。
ま、全部、君の責任だけど、感情の無い君には、罪悪感なんて感じないかもしれないね」
小田巡査部長は、部屋を出ると同時に、ピンッと紐を引き、小さい何かを部屋の中に放り投げた。
コロコロコロと音を立ててその何かがコンクリート部屋の地面で回転した。
「じゃあね、ナンバー3。
もし生きていたら、また会おう。検討を祈る」
小田巡査部長がドアを閉めた。
三澤は咄嗟に中央のテーブルを盾にした。
ドオンと大きな音を立てて手榴弾が爆発し、部屋の中は爆風と炎で包まれた。
黒ローブ男の持つ拳銃から放たれた弾丸の軌道を読み、三澤は自身に向かって放たれた二発の弾丸を躱した。
すると、三澤は、音もなく黒ローブ男に近づきスティレットの射程圏内まで距離を詰めた。
三澤のスティレットの斬撃が、黒ローブ男の拳銃を弾いた。拳銃が宙に舞う。
黒ローブ男は、宙に舞った拳銃が地面に落ちる前に掴み、そのまま再度銃口を三澤に向けて弾丸を放った。しかし弾丸は全て三澤に躱された。
「バカな・・・」
三澤はそのまま狼狽する黒ローブ男に再度接近し、スティレットを放った。すると黒ローブ男は、何処から出した片手剣でその斬撃を防いだ。
しばらくの鍔迫り合いの後、黒ローブ男が三澤を右足で蹴り飛ばして押し退けると、2人は3mほどの距離を置いて相対した。
すると、突如三澤は後ろに飛び下がった。
その飛び下がる前の位置を、弾丸がビュンと貫通した。
「へぇ、こりゃ驚いた。本当に弾丸を躱せるんだねぇ」
別の男の声がした。
黒ローブ男と三澤が、声の方向を見た。そこには1人の警官が立っていた。その警官の顔は、三澤の持つA4用紙のリストに載っているものではなかった。
その警官は、先ほど桜子と共にいた、小田和成巡査部長だった。
小田巡査部長は、三澤に銃口を向けつつ、片手剣を構える黒ローブ男と肩を組んだ。
「ダメじゃ無いかぁ、美津島雄也君、勝手に単独で彼を狙っては、ちゃんと忠告に忠実に、あくまで計画通りに動かないとね」
小田巡査部長は、肩を組んだ黒ローブ男の、黒頭巾を取った。中から、先日、三澤が狙い、杉浦伸平達を惨殺した小柄男、美津島雄也が姿を現した。
「なぁに、
美津島雄也は、自身の肩を組む小田巡査部長の腕を強引に払いのけた。
三澤はスティレットを構え直す。
「三澤君、いや、ナンバー3と呼ぶべきか、ここは一旦引かせてもらうよ。
2対1だし、君にとっても分が悪いだろう?
なにせ、僕は君を攻撃出来るが、
また仕切り直して、再戦といこうじゃないか」
小田巡査部長は美津島雄也を連れて、コンクリート部屋の出口に向かった。
「あとね、君が我々、浄化の絆に手を出してしまったことで、君のお友達は、巻き添えを喰らって、多大な迷惑を被るだろうね。
君の元同級生、平林桜子さんって言ったっけ?彼女の1人娘のお嬢さんに、命の危険が迫っているよ。
ま、全部、君の責任だけど、感情の無い君には、罪悪感なんて感じないかもしれないね」
小田巡査部長は、部屋を出ると同時に、ピンッと紐を引き、小さい何かを部屋の中に放り投げた。
コロコロコロと音を立ててその何かがコンクリート部屋の地面で回転した。
「じゃあね、ナンバー3。
もし生きていたら、また会おう。検討を祈る」
小田巡査部長がドアを閉めた。
三澤は咄嗟に中央のテーブルを盾にした。
ドオンと大きな音を立てて手榴弾が爆発し、部屋の中は爆風と炎で包まれた。