【審判の日４日前】ニュース

「死因、また、毒殺なんだって。
こないだの事件と、同一犯の可能性が高いらしいわよ。
怖いわねぇ、このマンションからわりと近くじゃないの？
あんたも気を付けなさいよ！」

翌日の日曜日、朝9:00、平林桜子は、皿を洗いつつ、テレビの音声だけ聞きながら、娘の梨奈に注意を促した。

梨奈がボーッと眺めているテレビには、今朝未明、20代の麻薬密売人の男が何者かに毒殺され西部新宿駅周辺のゴミ置き場に放置されているのが発見されたというニュースが映し出していた。

「あと、今日も、コンビニのアルバイト面接でしょ？ちゃんと行けるわよね？早く支度しなさいよ！」

桜子が梨奈に念押しした。

「うん。ねぇ、ママ。プロテスタントって何？」

「プロテスタント？さあ、キリスト教じゃないの？あまり詳しく知らないけど、どうして？」

桜子は、皿を洗いながら、興味無さそうに娘の話に適当に相槌を入れた。

「・・・ちょっと気になって」

「ふーん、まぁどうでもいいけど、変な宗教にだけは引っかからないでね」

桜子は、梨奈に、再度、今日こそアルバイト面接に行くよう念押しした。

その後、日曜休院日のため、仕事も休みの桜子は、今週一週間分の食材や日用品を購入するため、近くのスーパーマーケットに向かった。