【審判の日】撃墜

「隼人君、そんなもの、どうするの？」

怪訝な顔で平林梨奈は三澤隼人に尋ねた。

「梨奈さんは下がっていてください。大変危険ですので」

ヘリコプターが三澤を探して周囲を旋回していると、三澤はマシンガンを上空のヘリコプターに撃ち込み、挑発して自分の居場所を知らせた。

「あそこか！ナンバー3！」

ヘリコプターに乗っている五代恵子が、背中を向けて走り去る三澤を見つけた。

「小田さん、奴を追って下さい！」

小田和成は仕方なくヘリを限界まで降下させ、三澤を追った。五代恵子は、ヘリの窓から身を乗り出して拳銃の銃口を三澤の背中に向けて構えた。

「これで本当に終わりです！死んで下さい！
ナンバー3！
汚れし魂に神の浄化を！！」

背中を向けてヘリコプターから逃げるように走っていた三澤は、突如振り向くと、ヘリコプターの高度と航空方向を計算し、絶妙なタイミングで、先ほどの置いたバイクのニトログリセリンに向けてマシンガンを放った。

マシンガンの弾はニトログリセリンに着弾すると、凄まじい爆発が巻き起こり、ヘリコプターは爆風に巻き込まれた。

「う・・・うおおおお！！」

目の前のガラス窓全面が炎に包まれ、ヘリコプターを操縦する小田が叫ぶ。
ヘリコプターのプロペラが爆風で壊れふっ飛んだ。
プロペラを失い飛行機能を失ったヘリコプターは、激しい衝突音と共に、そのまま地面にドオンと打ちつけられた。