第43話 警察は舐められている

文字数 1,059文字

 
あっ!
あっ!
あっ!

祥子はこれまでに、祥子の顔を見て驚かれることが度々あった。家具屋の店員、空調設備の人、電気工事の人、幼稚園の運動会、大型遊具で遊ばせている時、シティーホテルの案内カウンター、温泉旅館の仲居、などなど

何度か横目で冷たい視線を注がれたこともあったが、あれは軽蔑の眼差しだったようだ、
レイプ映像を観ている人間こそ軽蔑されるべき人間だ、浮かんだ顔に呪いを掛けよう。

 看護師をしていた独身の頃、既婚者の同僚から自宅へ招かれた事がある、そこで同僚の夫と10歳くらいの小学生の息子が祥子を見て
「あっ!」と驚き、夫はその説明した。
「似てるからびっくりしたんですわ、うちはオープンやから、子供にもアダルトビデオを見せるんですよ、小学生でも、いっちょ前に興奮しよるんやわ」
その言葉につられて調子に乗った息子は興奮気味に
「もう、エロいったらないで、たまらんわ」と体をよじりながら喋る
同僚は夫に祥子を会わせたかったのかもしれない、最低な女、低俗な家族、呪いを掛けよう。

レイプ映像が氾濫している日本、性犯罪の温床のような日本、性教育をそこから学ぶ国民、検索すれば「レイプ」という題名のAⅤがネット上で堂々と販売されている、出品者は検挙されるべきであり、レイプ映像を流しているホテルは検挙されるべきである。
                     
警察官を知り合いに持つ友人に被害を打ち明けてみたら、時効を示す文面を見せられ「心の傷が癒えますように」と祈られた。警察はそれを提示することがマニュアルになっているのかもしれない。

ワルシは警察を舐めている。 

一つの事件は公訴時効を過ぎているかもしれないが、常習犯であるワルシはレイプドラッグと映像販売を手掛けるプロ組織なのだから警察は捜査すべきであり、時効を理由に耳を傾けないのは怠慢でしかない、しかもワルシは薬剤師であり薬局経営者であるから医療用麻薬を使うことも可能であるし、レイプ用薬品として販売しているかもしれない、ワルシならするに違いない、薬剤師によるレイプドラッグは麻薬及び向精神薬取締法の元で捜査されるべきだ。そもそも性犯罪は軽く扱われ過ぎている。
ツイッターで「#性犯罪 #性被害者その後」のタグを閲覧すると、警察は性犯罪の検挙率を上げるために被害届を受理しないという怒りの声が多かった。さらに警官によるセカンドレイプがトラウマになったという被害者も多い、国民に寄り添うべく警官は被害者心理をよく学び、被害者の声を救い上げ国会に刑法改正を唱えるべき存在であって欲しい。
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登場人物紹介

祥子・・55歳~57歳、温厚な性格の夫と、成人になった二人の子供と猫との4人と1匹の家族、独身の頃は看護師をしていたが結婚退職の後は専業主婦、その後起業した夫の会社で働く、手術を要する病気2回(一つは癌)を乗り越え、仕事と家事の合間に短歌、作文、絵、神社仏閣巡りなどの趣味を嗜む

敬寿・・祥子の夫(59歳~61歳)41歳で起業する、その頃は祥子の看護師復帰を反対するほどワンマンではあったが、祥子が病気になってからは祥子の身を案じ、家事も手伝い、ワンマンさは消える。寡黙でありながら家族から尊敬されている。趣味は釣り、祥子の付き合いで神社仏閣巡りにも行く。

二木輝幸さん・・青年のシルエットが祥子の瞼の裏に現れて訴えかけてくる。その後名前が分かる、祥子は「輝君」と呼んでいる。

大黒仁志(おおぐろひとし)/別名「オオ、ハラ黒ワルシ」・・薬剤師、祥子とはK病院時代からの知り合いであるが、祥子がK病院を退職した同時期に、独立して調剤薬局の経営者となる、今ではS県内に10店舗経営しているが、裏稼業にレイプドラッグ及び強姦映像の販売をしている。悪行を企てている時の目がランランと光りテンションが高い、一見して明るく社交的で饒舌、リーダーシップを発揮するために頼りがいのある人物に見間違えるが、女性を嵌める為の機を窺っていて、巧みに嘘を重ねる。

夏美・・大黒仁志の妻、祥子とは看護学生時代の同級生であり、K病院では同じ病棟で働いたいた同僚でもある。

六林婦人科医・・この物語では過去の人物としてしか登場しないが、六林医師の盗撮がなければ、祥子はワルシに狙われる事はなかった為に重要人物である。

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