第28話 土手で再会

文字数 2,755文字

女と女が距離を置いて向かい合わせに立つ。





そしてそれは不思議と初めて会った感じが
なつみはしなくて、。







光川「はじめまして。わたし 光川薫子といいます。わたし、富士中学の1年です。わたし、ずっとひとりぼっちでした。人の大切なものも奪おうとしていてたんです。でも先日 心の優しいほのかちゃんに救われたんです。」



なつみの後ろに隠れるようにしてほのかが、光川をみている。





なつみ「うちのほのかが? どこかで会ったかしら? そう、詳しく分からないけれど、あなたも大変で、悩んだりしたのね。
私も気づかないうちに人を傷つけているかもしれないし、みんなお互い様ね。」



なつみ「ほのちゃん、このお姉さんとお友達なの? 知り合いなの?」



ほのか「うん。内藤お兄ちゃんのお友達だよ。前公園で、遊んでたらたまたま会って、一緒に過ごしたんだよ」



なつみ「あっ、そうなのね(*´˘`*)」


なつみ「光川さん、ほのかと一緒に過ごしてくれてありがとうね。わたしはほのかの母の、高美なつみと言います。よろしくね。」




そしてほのかが前に出てきて、光川に近寄り、
小声で話しかけた。



光川が少しかがんで、ほのかと同じ目線の高さに合わせる。



ほのか「わたしはなんにも良いことはしてないよ。あの時は、月嶋お兄ちゃんが、ほのかにも大事なことを教えてくれて、月嶋お兄ちゃんが、光川さんを救ったんだよ。」





光川とほのかが、見つめ合う、その二人の眼差しは、争ったことを、お互いに謝っているようにも見え、お互い辛い思いをしたんだよねと、分かりあっているようにみえる。











光川「はい(*´˘`*) なつみさん、よろしくです。

私、、、友達ができたんです。




夢もあって、空をまた飛んでみたいって、私、航空会社に就職したくて、高校を出たら、スチュワーデスの専門学校に..」




嬉しそうに話す光川薫子






なつみ「そうなの。 よかったわね。 色々頑張ってね。」




薫子「はい。 ありがとうございます。」







月嶋「薫子さーん!」



光川「...月嶋くん..」


ほのか「あっ月嶋お兄ちゃん。」





月嶋「そろそろおにぎり屋さんに行くってよ。
なんか、クラスメートの門森も、行きたいって言うから、おにぎりツアー、また一人増えたよ笑


あっ ほのかちゃん。こんにちは。」



なつみ「あっ この前土手であった子ね
ほのちゃん何でお兄ちゃんの名前知ってるの?」




ほのか「内藤お兄ちゃんに聞いたんだよ。」



ほのかが、月嶋くんの傍まで行って、ひそひそ と話をします。



ほのか「そう言えば トナカイクイーンちゃんが『今度いつ遊びに来る?』って言っていたって内藤兄ちゃんに伝えてね」



月嶋「ほのかちゃんその話はナイショだよ。しちゃだめだよ。」



ほのか「あー、分かった分かった、そうだったね。」



なつみ「またスイッチのゲームの話ね、みんなこどもはスイッチが好きね。」




月嶋「ではそろそろ失礼します」



ほのか「あっ待って、 月嶋お兄ちゃん。」



月嶋「ほのかちゃん、なぁに?」



ほのか「今度、お兄ちゃん達、ほのかと駄菓子屋に付き合ってっ欲しいよ。また会ってくれる?」




月嶋「もちろん。みんなにも伝えるね。」




月島くんがニコッとする。
ほのかもニコッとする。





ほのか「月嶋お兄ちゃん。あと...」



月嶋「なに、、?」




ほのか「月嶋お兄ちゃん、ずっとほのかの友達だよ。だよね? 」


月嶋君「うん。ほのかちゃん、仲間さ。友達さ」

静かに優しくほのかに言う月嶋君。



月嶋君と光川さんは、なつみに一礼すると、仲良く2人は 土手を 駅の方向へ歩いて行った。



ほのかはお兄ちゃんたちと同じ学校じゃないけれど、時々図書館や土手で会える小学校以外の年上のかっこいい友達が、私にはいるって、いつも心の中で自慢している。だからこれからもずっともっといい子でいようと思っている。







なつみ「ねぇ、ほのかちゃん、なんでお兄ちゃん達全員の名前を知ってるの?」



ほのか「小学校の帰りに ばったり内藤お兄ちゃんに会って、一緒に図書館で勉強した日があったんだよ。だから知ってるよ。でももう1人では行かないから、。ほのかに何かあったらママ心配するでしょ?」



なつみ「あーそうなのね、 そういうことね。 ほのちゃんもう2年生だし、学校一人で行けるし、また図書館一人で行っても大丈夫でしょ、?」




ほのか「まだまだ 私2年生だよ! 親がしっかり一緒について、連れてかなきゃ だめでしょ」



なつみ「笑 分かったわ。まったく、これじゃぁどっちが親が分からないわね」







ほのか「ママ、今日の夕飯は?」


なつみ「お・で・ん♡」

ほのか「またかぁ、すきだなぁ」


なつみ 笑





こうして、夕焼けの中、ほのかとなつみは、また穏やかに一日を終えていくのでした。


















しかし
なつみはまだほのかに言っていないのですが、、、
なつみのお腹の中には男の子と女の子の双子の赤ちゃんがいます

一昨日、最近生理が来ないからおかしいと思い、産婦人科に行ったら妊娠がわかりました。


あと10ヶ月もすれば、ほのかもお姉さんになります。









みなさん、お分かりです?
そう、その双子は、、、、





王「もうすぐわしも王妃と一緒に、そちらの世界に誕生するぞよ! マリー、アング、エンジン、R.B、MR.G、ほかの息子たちよ、そしてほのかよ!」

王妃「マリーちゃん、ママ、行くからね~。マリーちゃんほのかちゃんに会えるのすごく楽しみ、嬉しい♡」













冒険は終わらない。










──────





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おやおや、また別の日に、内藤くんとほのかとなつみがまた図書館で会ってるようですよ。





内藤くん「ほのかちゃん、その話、続きがあるんだよ。オイラが今度教えてあげようか?」






ほのか「お兄ちゃん、『 君の心次第で、冒険はずっと 続くんだ』っでしょ? 笑。」





内藤くん「まぁね。そうだよ。笑」






ほのか「内藤お兄ちゃん、私、本棚に返してくる。」







ほのかが、手に持っていた本を戻しに児童書コーナーの本棚の方へ行きました。



















内藤くんとなつみが 館内の長椅子に、二人っきりになりました。
















。。。。。。。。。。












なつみ「内藤くん、内藤くんがいてくれて、ほのかも楽しそうだし、いつもありがとうね。ほのかと遊んでくれて。」













内藤「いぇいぇ。 。。。。」






















。。。。。。。。。。。。。。。。。。


























内藤「、、、、、なつみさん。」













なつみ「はい?なんですか?」





























。。。。。。。。。。。。。。。。























なつみ「?? 内藤くん、どうしたの?何かあった?」








































内藤「Mon城まで、一人で辿り着けて、偉かったですね」




















なつみは ハッと静かに驚いた表情をし、
少しの間、 時間が止まった。






































そして一筋の涙がなつみの頬を流れ、そのあと とめどなく溢れてきそうな涙をグッと今はこらえ、なつみは、微笑みながら うなづいた。


















つづく
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