第3話 王様と対面

文字数 2,510文字

タタタタタタタタタタタタタタタ...........


タタタタタタタタタタタタタタタ.........





ほのかと内藤くんも 豚に乗った






豚の群れは 草原を駆け抜け 進んだ







馬やラクダは聞いたことがあるが
豚に乗るのは初めてだ
乗り心地 悪くない
帰ったら絵日記に このことを書こう!
ほのかはそう思っていた。








遠くに お城が見えてきた。





内藤くんは どことなしか
不思議と懐かしい気持ちにもなった。





大きな門が開くと
中庭があり、
噴水と彩り鮮やかな花たちが咲き誇っていた。
その先に玄関らしき扉があり、
といっても普通の家の二階建て位の高さのある扉で 手では開けられない。
からくりで開くようになっているみたいだ。




城の中に入ると これまた大きな鏡があり、




内藤くんはその鏡に映っている自分を見て、少しだけ驚いた。そこには中学生の自分はいなくて、大人になった自分が映っていた。自分の大人の顔は おぼろげに、中学生の時の顔の面影を残していたが、その年齢を重ねた顔立ちを見て、もし中学の時の自分を知ってる人と会っても、オイラだとは分からない人もいるかもしれないと内藤君は思った。




突如、図書館から草原に急に来て、 豚に乗ったマッスル男がオイラのことをangと呼ぶ。そして 豚に乗って 城へ来た。 これだけ不思議なことが立て続けに 起きてるから、鏡に映ってる自分が大人になっていても、(またか)と内藤くんはもう そんなにひどくは驚かなかった。





2人は王様のいる部屋へ通された





広々とした部屋の床は大理石でできていて ツヤツヤしている。そこに長い赤色の細やかな単一模様の入った絨毯が敷かれていて 王座に続いている。 見上げると天井も高く、どうやって描いたのだろうと思わせる天使や草花や鳥、平和と強さの象徴エンブレムが 描かれている。窓は鉄格子の入ったステンドグラスのデザインで、楕円形で大きくいくつも続いている。






内藤「立派だな..ヨーロッパのお城巡りの旅に来ているようだ.. 」
そう内藤くんが呟いていたら、





「おーーーーぉ!!! 我が息子よ!!!!
戻ったか!!!!」





腹の底に響く しなやかで大きな通る声が 沈黙を破るように、部屋中に響き渡った




ほのか「あ~~~! びっくりしたぁ 」




どこから聞こえてくるのでしょう..





王座に座る人影
逆光でよく顔が見えない
多分王様なのである。






王様「angよ!! 近くまで参れ!! 誇り高き我が息子よ!早くわしに顔を見せてくれ!!」







ほのか「お兄ちゃん、なに??? これ、なんかの演劇なのかな、、?」
内藤くん「オイラもわかんない.. ほのかちゃん 近づいてみようか..」




近づくと、立派な白髭の厳格さを漂わせる優しい顔のおじいちゃんが、眩く美しく光り輝く王冠を被り 白いワンピースのような服に、大綬(サッシュとも言う)というタスキのような勲章をつけて、王笏(セプター)を持ち鎮座している。
王笏の上の部分には ルビーかガーネットか分からないが、真紅に輝く握りこぶしほどの宝石が付いていた。
その大きさと色合いと輝きに ほのかは釘付けになった





ほのか「ふぁ~~ きれい~ ...ママの宝石箱の中には あんな大きな宝石 ないよ みたことないよ! お兄ちゃん、あのおじいちゃんが王様みたいだね! お兄ちゃんのことアングってさっきから呼んでるけど、、ほのかが違うよって言うよ。おじいちゃんに教えてあげなきゃね。お兄ちゃんは内藤良介だよって!」




内藤くん「ほのかちゃん正しいけど、ここは 王様に合わせておいた方がいいかもしれない.. 。オイラの姿も大人に変わっているし、この世界ではangなのかもしれない。違うと言って、ギロチンでチョッキんってされたら怖いし..」



ほのか「うん、わかったよ、そうしておこう」



内藤くん(それに..アングって名前、あの10頭のドラゴンとお姫様の本に出てきたよな、確か。 そう言われれば、あのモヒカン男と豚も..物語の中に出てくる! マリーがMon城に向かう時に豚に乗る..あの豚.. もしかして..ここは..)




王「angよ 会えて嬉しい。元気そうじゃな。」

感慨深そうに、
王様は優しい顔がさらに柔らかくなった。





ほのか「お、お、お兄ちゃん、なにか、へ、返事した方がいいんじゃない(小声)汗」





内藤くん「はい、乳、ちがう... ち、ち、父上、オイラもまたお会いできて嬉しいです。 父上もお元気そうで何よりでございます。」






王は内藤くんが返事をすると、
また嬉しそうに微笑む





王がほのかの方に、目をやる。





「はて? angよ、この幼子は どこの者じゃ? 」






ほのか「わたし ほのかだよ! 」

ほのかはまた学校で教わった通り、自分のお名前を大きい声で元気よく伝えた。





王「ほっほぉ~ これは元気な女の子じゃ。こういうのを男勝りと言うんじゃろうな。男も負けそうだな ははははは。」




内藤くん「この子は、オイラの友達の子供です」




王「そうか、、ならばその幼子も 一緒に城で、しばし体を休め、 寛げばよい。」




内藤くん「ありがとうございます、父上。」





ほのか「おじいちゃん、 わたし、幼子じゃないよ。ほ・の・か だよ! ほ・の・か。 耳遠いのかな..。 『おとしおり』だからね、やさしくしないとね 、先生が言ってたよ。 『おとしおり』には やさしくしなさいって。」





王「 元気で良い。 ほのかよ。

これからこの幼子に教育係をつけ、
マナーと礼儀を教えていく!

ただちに ジェンオールを呼んで参れ!」





傍にいる執事に王は命令を告げる





王様 ( ..それにしても.. 性格は全然違うが、このほのかの目は、マリーの目によく似ている..。 我が愛娘マリーは、元気に生きておるのじゃろうか...。)




王様は目を細めて懐かしむように、マリーに思いを馳せ、 ほのかのパワー溢れる純真な表情と動きに、にこやかに見入っていた。






ほのか「ひぇ~~、 この大理石 寝っ転がると ひんやーりしてて 気持ちいいよぉ!お兄ちゃんもやってみなっ」








足音が聞こえてきました。
もうすぐ心やさしいジェンオールが参ります。






つづく

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