第2話  行方

文字数 2,250文字

「 なにしてんだよ!!!!」

「ごめんなさい..」



お財布の中にいつも入れてある銀行のカードが、なくなっている事に気づくと、まず銀行のカードを使用できないように停めるためコールセンターに電話する。 ついうっかりATMの操作するところに忘れてきてしまって、ATMに戻ると置いてあったり、慌てていたのか しっかり仕舞わずに バックの底に落ちて沈み隠れていたり、車の肘掛の下のボックスの中にあったり、ポケットの中にあったり、焦り探し回って、そんな中 冷静になる事が必要だともう1人の私が 記憶を辿っていき、ほとんどの場合がみつかる。



ある夫婦が 銀行のカードとは比べ物にならないほどの 大切なものを なくした




後悔と焦りと不安の波が 心に一気に押し寄せてきて 冷静さ なんぞ取り戻せない



なつみは 狼狽し ずっと泣いている



警察「お母さんね、ほのかさんは今日は何時頃に家を出たのかな?」
なつみ「たしかお昼ご飯を食べて、、午後1時くらいだったと、、」
なつみの旦那「なんで ほのか1人で図書館に歩いて行かせたんだ! まだ7歳だぞ! 」
なつみ「図書館近いし.. ほのかは学校も一人で歩いて行けるから、図書館も大丈夫だって思ってた..」
なつみの旦那「学校は登校時間、下校時間が決まっていて、他にも友達や生徒が通学路を歩いているだろ、わけも分からない時間帯に1人で歩かせて、ほのかに何かあったらどうするんだ、おまえ。しっかり親が見てなきゃだめだろ!」

なつみは シクシクと涙が止まりません
「私だって、こんな事になるなんて思ってもみなかったし、 ほんとうに ほのちゃんに何かあったら どうしよう..」

警察「お母さん、お父さん落ち着いてください、私達が今、こうして質問しているのは 家出かもしれませんし、迷子になったかもしれません、しかし同時刻に4人の中学生も失踪していまして、、不可解なところもあり、 誘拐の可能性も視野に入れています、一刻も早くほのかさんを見つけ出すために 正確な情報を収集しています 協力して下さい」

夕方になっても帰ってこない、夜になっても帰ってこない 公園も図書館も なつみは自分の足で探し回ったが、そのあと警察に連絡をした
なつみは オロオロしてばかりで まともな精神状態でいられないでいる

なつみ ( ほのちゃん、無事で元気でいてね、、ママが悪かったよ。早く帰ってきて..)


夏休みの宿題のことや家で口うるさく言ってしまていたことを 今になっては そんなことはどうでもよかったと ほのかが毎日元気に私のそばにいてくれていれば、それでよかったんだと、

一昨日までの当たり前の日々が とても遠くに感じて もうそんな日々を過ごせなくなってしまうのかもと頭によぎると不安が増し、現実逃避したくなってしまうような しかし ほのかの方が今 もっと苦しいだろう 目の前にある現実を受けいれ 少しでも良い方向に行くように 自分が動いていかなければと なつみは 呆然としながらも思っていた






なつみ ( ほのかちゃん どこ? ママさがしているよ.. )















ヒューーーー ヒューーーーー
爽やかな風が2人を包み込みます

ほのか「 あれ? ここどこ、、? 図書館にいたよね。お兄ちゃん。」

内藤君「うん、そうだよね、ほのかちゃん。オイラたち..」



2人の目の前に広がるのは、辺り一面、広大な青々とした草原と すっきりと澄み渡る水色の空でした

内藤君「おかしいね.. こんな所に急に オイラたち どうしたんだろうか..」

風が草原の波を弛ませ、緑の草の香りが
空気中に満ちて 風に乗って転がり遊んでは
2人の嗅覚に届いた


向こうから何か 大群の群れが走る音が聞こえ その音が 徐々に近づいてきます


内藤君「ここは チベット、、? 放牧か、、? 」


豚に乗った男たちが 何十人と群れを成して 内藤君とほのかの方に向かって走ってきます

そして2人の前までくると大群は止まり
一人の男が内藤君に話しかけてきました



ホグライダー「 おーーーー!!! ang様!!! ここにおられましたか!!! なんて 懐かしきお顔 拝見できまして 私光栄で、感涙。お元気なお姿を王様もご覧になられたらお喜びになるでしょう! さぁ参りましょう!!」

ファンキーなモヒカン頭、口の周りには髭を蓄え、色黒の筋肉隆々な健康的な男が 前のめりに 意気揚々と 2人にどこかへ行こうと誘ってくる


内藤「????」
ほのか「???なにこのおじさんは..? なんだチミは?」


ホグライダー「ang様 この少女は? どのようなご関係で?」


ほのかは 内藤くんの後ろに隠れるようにしていましたが 少し前に出てきます


ほのか「わたし ほのか だよ!」

知らない人と話しては行けないとパパとママに言われていたけれど、、ほのかは このおじさんはお兄ちゃんの事 知ってるみたいだし 少しだけ話してみようと思いました。
名前を元気よく言います。小学校でお名前を聞かれたら 大きな声でお名前を言いましょうね と担任の先生から教わった通りに ほのかはやってみせました。



ホグライダー「 これはこれは 男勝りな元気な女の子ですね 御意」


ホグライダーが微笑みます



ホグライダーが乗っているブヒブヒが
ホグライダーに話しかけます



ブヒブヒ「クンクンクン、ホグライダーさん、なんだか また新しい旅の始まりの匂いがしますね 私はなんだか ソワソワ ワクワクしちゃいますよ ブヒブヒ」



ほのか「 あぁっ!豚が しゃべった!!」



つづく
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