第26話  それぞれの続き

文字数 2,700文字

ピヨ ピヨ ピヨ ピヨ......















信号が青に変わった。












米澤くんは自転車を押しながら、横断歩道を渡った。



米澤( 戻ってきた! ついに2023年に。
いつもの 日常だ。 そして、俺はこれから 駅ビルのおにぎり屋に向かう)








店頭の看板
【日本全国の旬の素材を吟味して、丹精込めて仕上げております。 とらきち】





店員「いらっしゃいませ♪」


米澤くん(ウキウキ♪ )


見事に左端から右端まで、ずずずいずいと、並ぶおにぎり達。







米澤( ほよぉꕀ⋆ ꕀ⋆•*¨*•.¸¸♬︎ ここは、おにぎりパラダイスだわさ!)






色々な具材の種類があり、迷いに迷う米澤くん♡






米澤( 俺、、王国で頑張ったから、神様がご褒美をくれてる気がする、俺、地道に人知れず、マイペースに、頑張ってきてよかった。神様、ありがとう。)





立ち並ぶ何種類ものおにぎりを目の前に、
米澤くんは黙祷をした。



















近くにいたお客達は、 あの中学生は、目をつぶってしばらくお祈りをしているように見えて、なぜお祈りをしてるのかと、不思議そうに、米澤くんを見ていた。








これはまさに











「10個のおにぎりと米澤君」といった壮大な物語が始まりそうな 厳かな雰囲気である。







米澤君、イートインコーナーに、行き、席に座ると







米澤君「それでは、慎みまして、この瞬間を感謝致しまして、えーっ、食させて頂きます。 おにぎり様。今回は、、えーっ、紀州の梅干しのおにぎり様。 では、米澤竜之進、本日、ここ2023年 静岡駅ビルに無事に戻ってこれまして、、 えーーっ、ついに、この瞬間を迎え、、、 」







そこへ 駅ビルに入っているスーパーに 夕飯の買い物に来ていたなつみが、偶然、おにぎり屋さんのイートインコーナーにいる米澤くんに気づいた。






なつみ (あれあれあれ~、あの子.....この前ほのちゃんと土手を歩いていた時に会った、中学生のグループにいた子じゃないかしら? 多分似てるっていうか、きっとそう。 なんだかおにぎりを目の前になかなか食べないわね。 神妙な面持ちで、お祈りするように さっきから、ぶつぶつと呟いているわ。)






なつみ「あのぉ.....もしかして、あなた、この前土手で会った...」





米澤「おっとぉ.... すみません。 おにぎりに集中していて.... あっ、この前はどうも。」






なつみ「やっぱりそうね♪ こんにちは。 あら~美味しそうなおにぎりね♪ ここ県内放送の夕方の番組で 昨日取り上げられていたわ。 私もなんか気になって チラッと立ち寄ってみたのよ。」





米澤「はい、ここはお勧めですよ。 全国の選りすぐりの食材を集め、ご飯と合うように調理されて、お米もこだわっていて、、秋田コシヒカリから御殿場コシヒカリ、ゆめぴかりに、シルキークィーンなどなど、それらを、ふっくらと握ってくれるという神技.... もうまさに、お米の匠達が集結して、発案された このお店なのです。」




米澤くん、鼻息荒く熱く語ります。そして、なつみと話をしてるのですが、、、目の前の紀州の梅干しのおにぎりを食べたくて 食べたくて、もうどうしようもありません。




なつみ「あら~ 私もお家で食べるのに、何個か買っていこうかな♪ いいお店見つけたわ。ありがとう。 食べる邪魔しちゃってごめんね。食べて食べて♪」







米澤「はい、それでは失礼して。」







姿勢を正して
パクリ。







米澤「ふあ~~ぁ~~ん( ᵒ̴̶̷̥́꒳ᵒ̴̶̷̣̥̀ ) ♡♡♡
お米のひと粒ひと粒がふっくらぁ、、ん。 味も自然な米の甘みと旨みがでていて、そして梅干しも 肉厚で、トゲトゲしい酸っぱさはなく、マイルドで程よい酸味。は~~ん♪幸せ♪♪♡♡♡」








念願のおにぎりを食べれて、
飽和状態の米澤くん。





なつみ「 美味しくてよかったね( ¨̮ )。 私は、高美なつみというの。あなたお名前は?」





米澤くんは しばらくもぐもぐして、口の中のおにぎりが食べ終わったら喋ります。






米澤「俺は米澤竜之進です」





なつみ「よろしくね、米澤くん。」







米澤「はい、マリーちゃん。 あっ 違う違う、間違えた、、汗。 なつみさん。 」








米澤君がほっぺたに米粒をつけたまま 少し焦って、微笑む。








なつみ「、、え?」







なつみが不思議な子ねぇと言った表情で、、米澤くんをまじまじと見る。そして 微笑む。











─── R.Bお兄様?! 呼んだ?呼んだ?♡
お兄様っぁ~♡ なんてね ───











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温子「そう、、、だから、、返事は急がなくていいからね、、、、」









輪羽君( あっ。 戻った!)






温子が自分の目の前に普通にいる。
しかしその「普通」が、奇跡なのだ。
2023年に 俺は戻ってきた。
俺はエンジン。
今回は記憶は消えてない。
しかし俺は輪羽 敬一でもある。









温子とまた会えた。
俺の事を好きと言ってくれている。









返事は...










輪羽君は、温子に近寄って、持っていたボールを地面に落とし、すぐ 温子のことを 強く抱きしめた。











温子「え、、?、、、、」









いちょう並木のいちょうの葉が、いくつもいくつも、さらさらと地面に落ち、 黄色いカーテンと黄色い絨毯が、2人を包む。










輪羽 「返事はもちろんYESだ!」








温子は、少し驚いている様子だ。
しかし硬直、直立不動で、
この予想もしていなかった展開を
受け入れようと した。




嬉しすぎて、受け入れ方が追いついていかなかった。




温子「ちょっと、、いたい、、」





輪羽「あっ、ごめんごめん汗」





輪羽「 温子、、付き合うとなったら、俺はとことん真剣だぜ。お前だけをみていくからな。わかった?」





温子「うん」






温子は、まっすぐな輪羽君の気持ちを聞けて、
またさらに、輪羽君の事が 好きになった。










2人はぎゅっと手を繋いでいちょう並木の道を
一緒に帰って行った













温子「..あっ、輪羽君、鼻血~~!」

慌ててバックの中からティシュを探す温子


輪羽「あっ やべぇ 興奮しちゃったかも..」








温子「これで もう大丈夫だよ」



輪羽「んねーーー。アリガトチャン、温子。」








鼻ティ輪羽君のいっちょ出来上がり!♡*ˊᵕˋ*










輪羽「あっこちゃん?」

温子「なに?」

輪羽「ちょっと前からの夢がありまして」

温子「なに?」

輪羽「あっこちゃんのお胸を..ちょっとだけ..触ってもいいかなぁーーなんっちって」





温子「まだはやーーーーい」

輪羽「ぐすん。 自我が芽ばえるお年頃です。みんな、オラにエロパワーをわけてくれー」




温子「何言ってんのよぉ。笑」










つづく

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