第16話 ほのかのホームシック

文字数 2,294文字

ほぅ~ほぅ~ほぅ~。
















真夜中














生い茂る暗い木々










星がよく見える澄んだ空気の夜空







Mon城のそれぞれの部屋で..








グーゥ、グーゥ。ヨダレがちょっと出ちゃってる。笑顔で、いい夢見てるのかしら、、?米澤くん。

「もう食べられません.. むにゃむにゃむにゃ」

寝言も聞こえます。









スーーピ~~、スーーピ~~。
くの字になって、静かに眠っているエンジン。








スヤスヤ、
大の字になってぐっすり眠っているアング。










皆、枕元にはそれぞれの武器が置いてあり、いつ敵が攻撃してきても、応戦できるようにしてあります。









Mon城は静まり返っています。














スピースピー寝ているベビドラちゃん。







その横で
ほのかが両手を頭に置き、ベットに寝転んで天井をみつめています。









今日も一日終わった。
バズーカーの訓練も頑張ってるし、
お兄ちゃん達ともおじいちゃんともジェンオールさんとも仲良しになれた。
毎日楽しいし、悪い悪魔をいつかやっつける為にがんばりたいとも思ってる。


だけど、、
パパとママのところにそろそろ帰りたいなぁ。



会いたいなぁ。
またみんなで一緒に笑ったり、ママが作ったオムライス食べたり、スイッチやったり、学校の友達とも会いたいし、学校の勉強も遅れちゃうなぁ。みんな3年生になるのに、ほのだけ3年生になれなかったらどうしよう、、






何となく、ほのかは寂しくなってきてしまった。
そして静かに横向きになると、





涙が流れてきた













バサッ バサッ












窓の外から聞こえてくる









ほのかが窓の方を振り向く








青色のドラゴンが 月の光に照らされて ほのかの部屋の窓辺の近くで バサッバサッと翼を動かし飛んでいる。










ほのかが窓辺まで行く








ほのか「おまえは この前のドラゴンだね。 私、この前は おまえのお腹で つい 寝ちゃったんだ。 今夜は ママのことを思い出して、ほのは ちょっと悲しい気持ちなんだよ。」







ほのかがドラゴンに話しかけます









ドラゴンがほのかを慰めてくれるように、夜空を一緒に飛ぼうと言うかのように、ほのかが背中に乗りやすい体勢になります。






ほのかがドラゴンの背中に飛び乗り、しっかり捕まると







グイーーーーーンっと方向を変えて、
急上昇します。








ほのか「うっわぁーーーー!!!!」




そしてしばらく夜空をゆっくりと旋回します。







ほのか「うわぁお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!♪(*´﹀`*)」






そこからドラゴンは、
海の方に向かって飛びます






ブーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!





ほのかの顔と髪に、
気持ちよく風が吹き付けます





体感60キロ~80キロ位の速さは
出ているでしょう
空を自由自在に飛び回ります!







うぁあ~~~~~!!!!!!!!(*´︶`*)❤︎









ほのかはご満悦です。







下を覗くと、街の灯りがキラキラと光っていて、
Mon城も見えます。








夜空には 瞬く数え切れないほどの沢山の星達


宝石箱をひっくり返して、宝石がばらまかれたように キラキラと 輝いています。






満月の月光は明るく
ほのかとドラゴンを包み込みます。









海が見えてくると潮の香りが飛び込んできて
月光が海面に映り、海も輝いています









ドラゴンの背中に乗って夜空のドライブ








ほのか ( 帰ったらこの事も絵日記に書こう!!早くママにも会って話したい。でもドラゴンの背中に乗って夜空を飛んだなんて話して、誰も信じてはくれないだろうなぁ..

優しいドラゴン、私を今夜は連れ出してくれて、綺麗な夜のドライブをありがとうね。 ママと会える日まで、もう少しがんばれそうだよ。)








Mon城の前まで戻ってきて、地上に降り立ち、芝生の広場で体を休めるドラゴン。







ドラゴンの頭を優しく撫でるほのか。





ドラゴンも目をつぶって嬉しそうにしている。











柔らかい月光が、そっと二人を照らしています













────────────



「5人の子供が失踪してから1ヶ月が経ちます。些細なことでも構いません。情報がありましたらこちらまでご連絡ください。 本日は未解決事件特別番組をお送りしています。 視聴者の皆さん、もし何か情報がありましたら、こちらの番号までテレビ局までご連絡ください。
今夜のゲストは、刑事歴30年のいくつもの難題事件を解決してきた名刑事 柳林善次郎さんにおこしいただいています。こんばんは。」



柳林「こんばんは 」





キャスター「柳林さん、今回のこの事件ですが、、、」







リビングで、
テレビをみているなつみと崇智(たかとも)。





崇智「テレビ消しておけば..?」




なつみがテレビを消す。




毎日眠れなくて、睡眠不足。
生活してても、頭はうわの空
昔からの偏頭痛も最近は痛みを増す
1ヶ月も経ってしまった


旦那の崇智(たかとも)も、仕事を休職している。
2人でチラシを作って、色々なところで撒き、目撃情報が入ってこないかと、毎日を懸命に生きていた。目に見えて2人は痩せこけた。





ソファーに座ってるなつみの隣に崇智が座り込こむ。




もう1ヶ月の捜索とチラシ配り。
2人とも精神も体力も限界が近くなってきていた。





崇智は、なつみの肩に手を回し、なつみの肩を抱く。




崇智「 なつみ、偏頭痛大丈夫、、?」




なつみ「うん。ありがとう。 これ昔からなんだよね。最近は痛みが酷い。 誰かが自分を呼んでるような感覚。ずっと遠い昔に、、誰かとなにか約束してるような、それを忘れちゃってるような、、。ほのかちゃんが 私を呼んでいるのかしら...」





目は虚ろ、無表情で 気力のない
疲れ切ったなつみの横顔を、
崇智が心配そうにみつめる。






崇智「 疲れてるね、、。少し休んだ方がいいよ。」





なつみは崇智の肩に寄りかかる。







2人は手を繋ぐ







崇智「 大丈夫だ。きっとほのかは 戻ってくるよ。」









なつみは、目から涙がこぼれ落ち、静かに泣いた。












つづく
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