第142話

文字数 325文字

話し声が少し遠くで聞こえるような感覚で頭は冷静だった。
『陽太とられちゃうよ!!いいの?!せっかくの男の子だし、陽太とられていいの?!
お義母さんが彼に必死に話していた。
『こいつはどーせ育てられない。大阪に戻って親にでも見させるんじゃない』
『あんまり変なこと言っちゃ余計に取られちゃうよ。』
あのときはこうだった、お金はどれくらい渡していたのか、そういえばあの時はこんな態度だったね、これが嫌だったんじゃない?とりあえず、謝ったら?と掘り返して二人で話していた。

改善してほしいわけじゃない、何がどうなってももう別れしか考えていないのに…不毛な話をひたすら繰り返す。

あー…早く終わんないかなぁ。
どーやってこの場を離れたらいいんだろう。
そればかり考えていた。
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