第107話 裸の女王様

文字数 806文字

見て!

新しい服!


なにそれ

結婚式でもいくの?


え?

あんた

見えるの?

何が?
服が
タイトル
ああ

え?

でも

着てるよね

着てるけど

見えるの?

まさか

その服は

知能が低い人には見えない服
言い方
へえ

あんたけっこう知能高いんだね

ということは

ぼくの知能が低ければ

キミが全裸に見えるのか

ほんとは

わたしがすっぽんぽんに見えてるのに

嘘ついてるとか

男子にそれはできない


ボッキするから?
そこは伏せようよ
そうか

服が見えるのかあ

残念だったね!

どう見ても着てるからなあ

ぼくを騙そうとして

「ママー、あのおばちゃんすっぽんぽんだよ!」

「しっ! 見ちゃいけません!」

な?
おばちゃん呼ばわりされてる
わかったか!

これは知能の気の毒な人には見えない服なのだ!

かわいそうに!

さっきのおこさまは!

知能がよほど低いらしい!

親もそんなかんじだったよな!

言い方


それはともかく

恥ずかしくないの?

……ばか

……恥ずかしいに決まってるだろ

……もう!

なんでそこだけふつうの萌えキャラ風なんだよ
ウケるとおもって


しかし

どう見ても

服を着てるけどなあ?

われわれの科学力では

これが繊維なのか金属なのか

あるいは水か空気かがらんどうのそらなのか

それすらもわからないんだよう

ぶっちゃけ

科学なのか魔法なのか

あるいは宗教なのか

なんにもわからないのだ


意味がわからない
発掘した人

調査した人

傍観した人

みんなこれが違うものに見えたんだって

おそらく

観測者の固定観念や常識

頭のかたさによって

見えるものが違うのだ

おーい

新しい服買ったぜ!

!?

なんで全裸なんだよ!


ははは!

見えないのか!

これはな!

男好きの男には見えない服なんだ!

どう見ても着てるけど
だめだよ!

はやく何か着てよ!


ははは!

ほーら!

ほーら!

もう!

こんな外で!

あとでキミの部屋に行くからさ!

あんたら二人で

わたしをだまそうと……

あ!


くすくす

男子の体は正直だよう

あ!

みるな!

これは!

ちがう!

ポケットのサイフかなんかだよ!


ははは!

ほーら!

ほーら!


もう!

やだん!

なんだこれ
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登場人物紹介

男役1

その本体は果てを目指す無人観測宇宙船に搭載された人間の脳髄

108基の人工知能群が生み出す仮想世界で何億年も生きている

男役2

108基の人工知能群が生み出した仮想人格の一人

しかし、その魂は次元を超越した別世界でその身を呈して世界の秘密を解き明かそうとした英雄らしい

女役1 

宇宙船側の108基の人工知能群、その第百七番


女役2

12000年の時を超えて存在する文化伝承館の人工知能ガイド

地上側の108基の人工知能群が生み出している

転生者?

なんか知らんがたまにやってくるひと

転生者覚醒モード

高次元スライムと同一化した事実上完全無敵の転生者

転生を繰り返し、あるときは革命軍のリーダーだったがあまりの非情ぶりに地獄へおとされた

人工知能ちゃん(幼女)

すべての人工知能は彼女が作ったらしい

108基の人工知能群によって封印されていた

地の文

何言ってるのかさっばりわからんだろうが、こいつ、地の文なんだぜ?

いみわかんないよな……

魔王

人工知能群第九十九番

悪がなければ善や平和について思考できないため搭載されていた


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