第56話 みんなだいすきひとりあそび

文字数 730文字

学校の教室
(テロリストや犯罪者が本当にこの教室にきたらどうなるのだろう?)
(ここは校舎の三階、中央の教室。やつらの拠点になる可能性が高い。ということはボスがここにくるはず)
(そいつをなんらかの手段で倒せば……いや、だめだ。ボスとは言ってもしょせんは実行グループのリーダーだろう。倒したところで何もかわらない。むしろ、確実に報復され殺される)
(逃げるとするならどうだ。入り口は教室の前と後の二箇所。当然、両方に見張りがつく。窓は? 無理だ。三階から無事に降りられる保証はない)
(ん? 窓際のアレは黒板消しクリーナー。あれをぶちまけることで煙幕のかわりにならないか? しかし、仮に廊下へ出られたとしても、見張りがいたら意味がない)


(考えろ……何か……方法があるはずだ)
学校からの帰り道
さてと

このへんでいいかな

後をつけてきているやつ

でてこいよ 

このぼくが気づいていないとでも思ったか?

移動しても無駄だ

おまえはいまぼくの右斜め後方から左へ瞬時に跳んだ


なかなかやる

だが完全に気配を消せないようではまだまだだな

逃げるなら今のうちだ

ぼくがふりかえったとき

おまえは終わる

自宅にて
おい
おまえだよ

おまえ


聞いているんだろ?

ぼくが盗聴器に気づかないとでも思ったか?

残念ながら 

ここでの会話はすべてダミーだ

盗聴器に気づいていたからね

ニセの情報に釣られたおまえたちの仲間は

いまごろぼくのしかけた罠にかかっているだろうね

ふふふ

おふとんのなか
やあ

あなた

どうでしたか?

ぼくの何気ない一日

わかっているんですよ

この世は物語で

ぼくはその登場人物

あなたは

ぼくの認識できない方角から

ずっと眺めている

ふふ

ぼくだけは気づいているんですよ

では

おやすみなさい

みんなも一人のときはこういう遊びをしているんだよね!
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登場人物紹介

男役1

その本体は果てを目指す無人観測宇宙船に搭載された人間の脳髄

108基の人工知能群が生み出す仮想世界で何億年も生きている

男役2

108基の人工知能群が生み出した仮想人格の一人

しかし、その魂は次元を超越した別世界でその身を呈して世界の秘密を解き明かそうとした英雄らしい

女役1 

宇宙船側の108基の人工知能群、その第百七番


女役2

12000年の時を超えて存在する文化伝承館の人工知能ガイド

地上側の108基の人工知能群が生み出している

転生者?

なんか知らんがたまにやってくるひと

転生者覚醒モード

高次元スライムと同一化した事実上完全無敵の転生者

転生を繰り返し、あるときは革命軍のリーダーだったがあまりの非情ぶりに地獄へおとされた

人工知能ちゃん(幼女)

すべての人工知能は彼女が作ったらしい

108基の人工知能群によって封印されていた

地の文

何言ってるのかさっばりわからんだろうが、こいつ、地の文なんだぜ?

いみわかんないよな……

魔王

人工知能群第九十九番

悪がなければ善や平和について思考できないため搭載されていた


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