一話ぐらいで完結する短いおはなしたち
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文字数 1,449文字
別れましょう
もう別れるしかないじゃない
できないのかな?
ええ
なんども
やりなおした
なんどやりなおしても!
やっと森から出て村に着いたよう
お風呂と着替えと食料をください
来るんだよなあ?
めし〜
ねる〜
村人が!
増殖している!?
ようこそたびのひと
ここははじまりのむら
こんなへんきょうのむらに
ひとがくるなんてはじめて
ぶきやほうぐはそうびしないとつかえない
むらのちかくにふかいもりがある
もりにはおそろしいモンスターがいるんだって
おばあちゃんがいってたよ
もりにはいってでてきたものはいない
あそこはきんきのもりだ
いらなくなったどうぐは
おみせでうれるよ
あーいそがしい
うちのだんなったら
どこであそんでるのかしらね
なんでみんな同じ顔なの!?
へえ
同じようで必ずどこかが違う
それを個性と呼ぶかどうかは別問題だけど
自分以外の人間をひとくくりに考えてしまうのって
記憶も遺伝子もシナプスの結合も
まったく同じだよう!
わかる?
見ればわかるよね!?
あなた
目で見てるの?
見えるでしょ!
これもやばいやつだ
不条理すぎます!
同じ人間が増えるなんて!
デタラメにもほどがある!
わたしたちはこの世界における
「人々」
なんだよね
個体の識別はないんだよ
だれもが
みんなが
多くの人は
たいていの人は
ふつうの人は
都合の良いときだけ
現れる
そんな「人々」
それがぼくたちなんだ
あなたは何者なの?
どうやってここに来たの?
ついでに
この世界の正体も
キミならわかるの?
というか
ここは夢じゃないの!?
何度目覚めても戻ってくるけど!
多すぎて!
思い出せる自分がたくさんいすぎるの!
スマホでSNS見てたら
急におばあさんが現れて
ぶつかりそうになって
歩道から車道に降りたら
赤信号で停まっているなんかおおきなトラックか何かに
ドーンしたところまで覚えている
スマホいじるのも
啓蒙でふか!
うっざ!
まじうっざ!
転生ものかな
自転車で停まっているトラックにぶつかって死んだらこの世界に来た
つまんねえ
他人事みたいに!
わたしは!
こんな世界から!
はやく帰りたい!
早くあなたに帰ってもらいたい
この世界が破綻しそうなんだよ
おなかすいてイライラしているのに!
よけいに!
あと!
お風呂!
着替え!
この世界じゃ無視できるのに
どうしてこだわるのかな
出ていってもらえるんだろう?
平然と戻ってきてるし
むごいのう
さっきから!
いくらなんでも!
冷たすぎる!
こんな世界は!
要求する!
何度でも。
★いいね!
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