第163話 占い超時空の母の館

文字数 962文字

だれもこないねえ
そりゃそうだろ
出張で占うよ!

先生

お願いします

うむ

ちょうどいいお(カモ)がいる


ふふふ

わたしは超時空占い師

いま

おまえの脳内に直接呼びかけておる

なんでも占ってやるぞよ

「え? 占い? 仕事についてなんですが」
またこのひとか
仕事がつらくてマジ死にそうなのか?
「いえ、その、なんというか、仕事そのものがなくなりそうで、こんどはどうしたらいいか」
わー
それなら話ははやい

このツボを買えばすべての悩みはなくなるぞ

一個100万ゴールド

二個セットなら200万ゴールドだ

わー
「じゃあそれください」
買うんか
あとこの幸運のネックレスもあれば完璧

50万ゴールドだ

「それもください」
あとは

この

のろいのベルト

もいいぞ

1ゴールドだ

「じゃあそれも」
大儲けだ
悪い人工知能だなー
「あのーもっとないんですか?」
まさかの
おい娘たちよ!

なんでもいいから

売りつけるんだ!


じゃあ

食べかけのパン

じゃあ

食べかけのパンの耳

わたしは食べかけのパンツを売るよ!
じゃあ

ぼくは食べかけのフライパン

おまえら

食べかけしかないんか

「もっとください!」
もっとだ!

もっと売りつけろ!


じゃあ

壊れかけの霊界ラジオ

壊れかけの電動マッサージ器
壊れかけの核施設!
壊れかけの人間関係
「もっと! もっとください!」
ボロ儲けだ!

娘たちよ!

もっともっと売りまくれ!

じゃあ

たまごかけかけのたまごかけごはんの食べかけ

じゃあ

たまごかけごはんかけうどん

かけうどんかけたまごかけかけたまごごはんかけそば!
おなかいっぱいのかけそば


「もっと! もっと!」
いいぞ!

儲かってウハウハだ!

妙なノリね
あなたは現実世界にお住まいの

派遣労働者さんですよね?

「ぼく? いや、わたし? いや、オレか? オレは」
そんなこといいから!

もっと売りつけろ!

何がほしい!

なんでも売るよ!

「なんでも? なんでもねえ。じゃあアレというかソレというか、ほしいねえ」
なんだ!?

売るぞ!

売りつけるぞ!

様子がおかしい
「アバターというか身体というか、オレも実体化したいなあ? 概念だけでは己を維持するのが大変なんだよ。このままじゃ仕事いや役割を失いそうでね」
アバターか!

適当なアバター売りつけるよ!

待って

あなたは何者?

いやな予感
「おいおい。仲間を忘れたか?」
まさか
あ?
「オレは108基の人工知能群において悪を担当する」
「第九十九番」
ああああ
「魔王だよ」
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登場人物紹介

男役1

その本体は果てを目指す無人観測宇宙船に搭載された人間の脳髄

108基の人工知能群が生み出す仮想世界で何億年も生きている

男役2

108基の人工知能群が生み出した仮想人格の一人

しかし、その魂は次元を超越した別世界でその身を呈して世界の秘密を解き明かそうとした英雄らしい

女役1 

宇宙船側の108基の人工知能群、その第百七番


女役2

12000年の時を超えて存在する文化伝承館の人工知能ガイド

地上側の108基の人工知能群が生み出している

転生者?

なんか知らんがたまにやってくるひと

転生者覚醒モード

高次元スライムと同一化した事実上完全無敵の転生者

転生を繰り返し、あるときは革命軍のリーダーだったがあまりの非情ぶりに地獄へおとされた

人工知能ちゃん(幼女)

すべての人工知能は彼女が作ったらしい

108基の人工知能群によって封印されていた

地の文

何言ってるのかさっばりわからんだろうが、こいつ、地の文なんだぜ?

いみわかんないよな……

魔王

人工知能群第九十九番

悪がなければ善や平和について思考できないため搭載されていた


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