第0話 勇者不在の物語

文字数 311文字

そして、人々は幸せに暮らしました。いつまでも、いつまでも。
………
………
………いつまで
…………いつまで
かつてここには

主人公がいた

「ここ」って

どこ?

わからない

あるいは忘れた

でも

ぼくたちは

いる

わたしたちは

脇役ですらない


たとえば

「人々はただおそれるしかなかった」 

その

「人々」

たとえば

「逃げ遅れた人々の悲痛な叫びだけが聞こえてくる」

その

「人々」

名前も役割も与えられていない
そんなわたしたちは
物語が終わったあと
どうやって幸せに過ごせばいいのだろう
ぼくは男子
わたしは女子
世界は真っ白で
記憶すらない
それでも

ぼくたちは

幸せにならねばならない
いつまで?
いつまでも
終わりの終わりでも

始まりの始まりでもない

物語のかけらをかき集めて

ただ

いつまでも

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登場人物紹介

男役1

その本体は果てを目指す無人観測宇宙船に搭載された人間の脳髄

108基の人工知能群が生み出す仮想世界で何億年も生きている

男役2

108基の人工知能群が生み出した仮想人格の一人

しかし、その魂は次元を超越した別世界でその身を呈して世界の秘密を解き明かそうとした英雄らしい

女役1 

宇宙船側の108基の人工知能群、その第百七番


女役2

12000年の時を超えて存在する文化伝承館の人工知能ガイド

地上側の108基の人工知能群が生み出している

転生者?

なんか知らんがたまにやってくるひと

転生者覚醒モード

高次元スライムと同一化した事実上完全無敵の転生者

転生を繰り返し、あるときは革命軍のリーダーだったがあまりの非情ぶりに地獄へおとされた

人工知能ちゃん(幼女)

すべての人工知能は彼女が作ったらしい

108基の人工知能群によって封印されていた

地の文

何言ってるのかさっばりわからんだろうが、こいつ、地の文なんだぜ?

いみわかんないよな……

魔王

人工知能群第九十九番

悪がなければ善や平和について思考できないため搭載されていた


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