夏(2024.8.3)

文字数 228文字

信号待ちで立ち止まったら
汗が流れる

蒸し暑さが活き活きと
まとわりつく

まだ蝉は鳴いていない
けれど 夏の日差しだ

手にしたペットボトルを口にすると
余計に汗が湧く

水と汗の
追いかけっこ

ペットボトルは
半分を切った

誰かに頼まれて散歩している訳でもないのだが
誰かのせいにしたくなるほどの暑さ

何も考えられない
何も考えたくない

どうして散歩しているのか
と考えてしまったら
手を挙げてタクシーを止めてしまうだろう

信号が変わった
僕は歩き始める

あっ

蝉の声が聞こえた
気がする

今、夏が始まった
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