価値観(2024/6.4)

文字数 420文字

白米を半分
玄米を半分

どっちつかずの炊きたてご飯に
胡麻と鰹節をかけて
梅干と白菜漬物をのせる

ここ最近の
朝食である

なんとなく
体に良いような
野菜が不足しているような

茶碗に
あれこれ
のせるのは
幼い頃からの習慣だ

祖父母もいたので
洗い物を少なく
という母の作戦だった訳だが
六人分ならいざ知らず
今は一人暮らしだから
もう一皿に梅干しと白菜漬物を分けても
大して違わない

習慣とは
なかなか
抜けないようだ

マンションの一階に
コンビニがあるのに
ペットボトル一本を買いに
駅前のスーパーまで歩く

坂道なので
行きは七分
帰りは九分

同じものなら
少しでも安く
という母に育てられたから
仕方ない

習慣とは
なかなか
しぶといようだ

別に
一人で
生きるには
困らない金はあるのに

貯めたところで
使い道もないのに

習慣から
逃げ出したくて
金遣いの荒い人と
付き合ってみたものの
価値観の違いに疲れて
直ぐに別れた

習慣は
価値観を作り
人生観にもつながるのだ

遠い空の下
母も
ひとりで
梅干と漬物がのった茶碗
を手にしているのだろうか
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