選ばれし者(2024.6.8)

文字数 342文字

ねぇ、君
君だよ、君
そう、そこの君

やはり
君には
聞こえるようだ
そして
見えるようだ

わたしと
繋がる
選ばれし者よ

そろそろ
立ち上がるとき

ついに
動き出そう

世界を
変える

世界は
変わる

人々を
救うのだ

さぁ
ともに


 君は
  手を振り
   人混みに消えていく


知らないおじさんが
真剣な眼差しで
話しかけている

悪い人
ではなさそうだけれど
普通の人
ではなさそうだ

っていうか
生きているのか
死んでいるのか
分からないような顔色をしている

選ばれし者
と言ってくれるが
底辺の僕が選ばれるなんて
信じ難い

知らないおじさんも
底辺の人なのかもしれない

なら
話は分かる

けれど
僕が選ばれる時点で
結果は
分かっている

世界は
変えられない

世界は
変わらない

人々よりも
まずは
自分のこと

悪いけど
急がないと
バイトに遅れるので


 君は
  手を振って
   人混みに消える
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