トンネルの光(2024.6.23)

文字数 282文字

トンネルの向こうに
光が見える

僕らは
手をつなぎ
そちらへ歩く

歩いても
走っても
止まっても

光の大きさは
変わらない

でも
見える

トンネルは
夏でも涼しくて
半袖のポロシャツでは
寒いくらいだ

目が慣れると
あちらこちらに
座り込む人々が

休んでいるのか
諦めたのか

早く
急げ

思わず
手に力が入り
彼女は痛いと言う

そして
手が離れ

僕は
一人に
なる

座り込んでしまった
彼女は呆けている

一人で
先へ進もうとしたら
彼女が
ジーンズの裾を持った

振り返り
彼女が指差す方へ
振り返る

そこには
大きな穴が空いている

このまま
進めば
僕は
堕ちていた

光ばかり見て
足元が見えていなかったのだ

僕も
座り込む

休むでも
諦めるでもなく
ただ
光に絶望して
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み