第3話 言いたいことは2つある。1つ目。
文字数 1,173文字
(ジンジャーに向かって)
ね、検品検査ってなに? 知ってる?
(国民的俳優に向かってタメ口か、俺もまだまだだな)
さあ?
君がオリジナルじゃないことは知っているんだ。
バトルで破損して、けっこう何回もスペアをインストールしているってことも。
4代目だっけ? アバズレだなぁ。
でも体はバージンだよね、それを確認したらおしまい。大がかりな花いちもんめは終了。
キミが逃げるからこんなに時間がかかっちゃった。
(また意外な反応だね。呆れかえったあの顔ww笑っちゃいけないって思うと、ますます可笑しくなってくる)
(半笑いで)セージ、あんた、生まれ変わったはずだろ? 再起動したんだから。
言いたいことは2つある。
(デザートの寒天の黒蜜がけを食べながら)
(軽くって言った割に、気持ちいいくらいの食べっぷりだな)
メンバー達と話していたんだけど、セージって性的な方面のサイコパスだよね。
治療が必要なレベルだよ。
何回も問題起しては、そのたびに私のときみたいにお金ばらまいて無かったことにしてもらってさ。
目を丸くして、「そうなの?」「知らなかった」ささやき合う合うビーチョコのメンバー。
家族はマジで迷惑しているはずだ。家族は全員カタギだっていうじゃないか。
だからね、今回スペアをインストールしたとき、その性癖の歪みみたいなものは最優先で治しているはずなんだよ。
ああ、なるほど、そうだよね、修正するよね。
(おっと、つい口に出ちゃった)
治しているはずなのに、そういう言動繰り返すのって、ただの思考のクセ、思い込みじゃないかってメンバーが言っていた。
落ち着け、冷静になれよセージ。
実はそんなにエッチで変なことしたいわけじゃないだろ?
自分を客観的に見ろよ、そんなに興奮していないだろ?
少しは親兄弟の気持ち考えろよ。
もう惰性でバカなこと繰り返すのはやめろ。
なにがおかしいんだ、ジンジャー!
もういい、あんたは解雇だ。
解雇? (笑いながら)セージさん、落ち着いて。
シナモンさん、思っていたよりずいぶん大人ですね。正直、もっとおバカキャラかと思っていました。
何度かのインストールで変わった口ですか?
実はそうなんだよ。
4代目になったとき、父方のお祖父ちゃんの性格が前方に出てきたんだ。
馬鹿な家系の中で唯一冷静だった商売人。土建屋と貸家業をやっていた。
メンバーが驚くから普段は隠していて、いざという時に出てきてもらうんだ。
自分探しをする暇があったら、自分のキャラを増やしておいた方がいいね。
セージ、あんたも汎用使いできるキャラを作った方がいい。あんたのためだ。
いい年してイタいキャラを押し通すと、周りが迷惑なんだよ。
(笑いを堪えて)セージさん、言いたいことがもう一つあるみたいだから、聞きましょうよ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)